Pink Floyd – A Collection Of Great Dance Songs (1981)
Pink Floyd「A Collection Of Great Dance Songs」について
Pink Floydのコンピレーション・アルバム「A Collection Of Great Dance Songs」は、1981年に米国でリリースされた作品だ。ロンドンで結成されたこのバンドが、サイケデリック・ロックからプログレッシブ・ロックへと歩みを進めた時期までの代表曲を、短くまとめて聴ける内容になっている。
Pink Floydといえば、哲学的な歌詞、音響効果、長尺の構成、そして大規模なライヴ演出で知られるグループだが、このアルバムではそうした要素の中でも、特に耳に残りやすい楽曲が選ばれている印象が強い。タイトルの通り、ダンス・ミュージックというよりは、バンドの楽曲の中から広く知られたものを集めた編集盤としての性格がはっきりしている。
収録曲の特徴
この作品で特に注目されるのが、「Shine On You Crazy Diamond」と「Another Brick in the Wall (Part 2)」の別ミックス収録だ。いずれもPink Floydを代表する楽曲で、後年のベスト盤「Echoes: The Best of Pink Floyd」にも収められているが、こちらでは別の形で聴けるのがポイントになる。
「Money」は再録音版が収録されている。Capitol Recordsがオリジナル音源の使用許諾を出さなかったためで、David Gilmourがギター、キーボード、ベース、ボーカルを担当し、James Guthrieと共同プロデュースした。Dick Parryのサックスも再び加わっている。オリジナル版と比べると、サックスやギター・ソロの印象、リヴァーブのかかり方、最後の歌い回しなどに違いがある。Nick Masonのドラムではなくなっているため、リズムの手触りも少し変わって聴こえる。
作品の位置づけ
1981年時点のPink Floydは、すでに世界的な成功を収めた後の段階にある。アルバム単位で語られることの多いバンドだが、この編集盤はその主要曲を1枚で確認できる形にしたものとして見える。初期のサイケデリックな側面から、後期の洗練されたプログレッシブ・ロックまで、バンドの幅を短時間でたどれる構成だ。
同時代の英国ロック、特に長尺の組曲性や音響表現を重視する流れの中でも、Pink Floydは独自の立ち位置を築いていた。YesやGenesisのようなプログレッシブ・ロック勢と比べても、より音像の設計や空間の使い方に重点があるバンドとして語られることが多い。そうした特徴が、このベスト選曲にもそのまま表れている。
聴きどころ
- 「Another Brick in the Wall (Part 2)」の分かりやすいフック
- 「Money」の再録音版における演奏の違い
- 「Shine On You Crazy Diamond」の編集された形での収録
- Pink Floydの代表曲をコンパクトに追える構成
まとめ
「A Collection Of Great Dance Songs」は、Pink Floydの代表曲を別ミックスや再録音を交えながらまとめた1981年のコンピレーションだ。アルバム作品を軸に評価されることの多いバンドの中で、楽曲の知名度と音源の違いの両方を確認できる一枚として位置づけられる。
バンドの歴史を追う入口としても、既に知っている曲を別の形で聴くための資料としても、Pink Floydらしい編集盤だと言えそうだ。
トラックリスト
- A1 One Of These Days (5:49)
- A2 Money (6:45)
- A3 Sheep (10:21)
- B1 Shine On You Crazy Diamond (10:40)
- B2 Wish You Were Here (5:26)
- B3 Another Brick In The Wall (Part 2) (3:54)