Player – Player (1977)
Player『Player』について
Playerの『Player』は、1977年に発表されたセルフタイトル作で、のちに日本盤として1978年に出た1枚です。ソフト・ロック寄りのAORを軸にしたバンドの初期像が、そのまままとまったアルバムとして位置づけられる作品です。バンド名と同じタイトルなので、グループの出発点を示す名刺代わりのような内容と言える。
Playerというバンドの成り立ち
Playerは、イギリス出身のピーター・ベケットとJ.C.クロウリーを中心に結成され、その後にロン・モス、ジョン・フリーゼンが加わって固まったバンドです。のちに世界的なヒット曲「Baby Come Back」を出すことで知られるようになるが、このアルバムはその直前の時期にあたる。アメリカ西海岸の空気を感じる作りで、ソフト・ロック、ポップ、ファンク寄りの要素が自然に混ざっている。
収録曲と代表曲
この作品を語るうえで外せないのは、やはり「Baby Come Back」。バンド初のシングルで、1978年1月に国際的なナンバーワン・ヒットになった曲だ。ピーター・ベケットが共作・歌唱を担っており、メロディの運びとコーラスのまとまりがはっきりした楽曲として知られている。アルバム全体も、この曲に通じる滑らかな歌もの中心の構成になっている。
この曲のヒットによって、アルバム自体もプラチナを記録し、バンドは大規模ツアーへ進んでいく。ボズ・スキャッグス、エリック・クラプトン、ハート、ケニー・ロギンスらのツアーで演奏したという経歴も、当時の立ち位置をよく示している。
サウンドの印象
録音はカリフォルニア州ロサンゼルスのWestern RecordersとSound Labsで行われている。演奏はリズムがきっちりしていて、ベースとギターが前に出すぎず、歌を中心に組み立てられている。AORらしい整った音像と、ソウル寄りのリズム感が同居しているところが特徴で、同時代のアメリカン・ポップロックの流れに置きやすい作品だ。
耳に残るのは、派手な音色よりも、コーラスの重なりやコードの進行、そして歌のフックの作り方。ロックの骨格を持ちながら、ファンクやソウルの質感を少し取り入れているので、単なるソフトロック一色には寄らない。
日本盤の特徴
この日本盤には、英語版と日本語版の両方の歌詞シートが付属している。輸入盤をそのまま並べるのではなく、日本で聴くための作り込みが行われている点が、当時の国内盤らしいところだ。歌詞を追いながら聴けるので、メロディ重視のこの作品とは相性がいい。
バンドのその後につながる位置づけ
『Player』は、のちの大ヒットを生む前段階のアルバムとして見るとわかりやすい。ここで示された、整ったハーモニー、聴きやすい曲の流れ、ラジオ向けの構成は、後の「Baby Come Back」以降のイメージにもつながっていく。ピーター・ベケットはその後も作曲家として多くのアーティストに曲を提供し、ロン・モスは俳優としても知られるようになるが、この時点ではまだバンドとしてのまとまりが前面に出ている。
同時代との関係
同じ時代のソフト・ロック、AOR、ウエストコースト系の作品と並べると、Playerはメロディのわかりやすさがはっきりしている。ボズ・スキャッグス、クリストファー・クロス、リトル・リバー・バンド周辺の流れを思わせる部分がありつつ、歌の明快さで押していくタイプのバンドだ。大人向けのロックやポップがラジオで広く流れていた時期の空気感が、そのまま残っている。
まとめ
『Player』は、Playerの出発点を示すセルフタイトル作であり、のちの代表曲「Baby Come Back」へつながる音楽性がすでに見えているアルバムだ。きっちりした演奏、歌を軸にした構成、ソウル寄りのリズム感がそろっていて、1970年代後半のAOR/ソフトロックの文脈に置きやすい一枚になっている。
トラックリスト
- A1 – Come On Out (3:43)
- A2 – Baby Come Back (4:10)
- A3 – Goodbye (That’s All I Ever Heard) (3:44)
- A4 – Melanie (3:39)
- A5 – Every Which Way (3:34)
- B1 – This Time I’m In It For Love (4:20)
- B2 – Love Is Where You Find It (4:00)
- B3 – Movin’ Up (2:50)
- B4 – Cancellation (4:07)
- B5 – Tryin’ To Write A Hit Song (4:36)