Triumvirat – Mediterranean Tales (Across The Waters) (1972)
Triumvirat / Mediterranean Tales (Across The Waters)(1972)
Triumviratは、1969年にドイツ・ケルンで結成されたプログレッシブ・ロック・バンドだ。中心にいるのはキーボードのJürgen Fritzで、初期メンバーにはベースのWerner “Dick” Frangenberg、ドラム兼作詞のHans Batheltがいた。
本作 Mediterranean Tales (Across The Waters) は、1972年にHarvest/EMIから出たデビュー作で、Triumviratの名を最初に広く示した作品として位置づけられる。
作品の概要
録音は1972年1月、ケルンのElectrola Studiosで行われている。レコード情報を見ると、これはオリジナル盤で、ラベルにLCコードの印字がない初期プレス。Side Aには外周32mmと内周12mmのスタンパーリングがあり、Side Bには1本のリングのみという仕様になっている。
Triumviratは、この時点ではまだ後年ほど大きな国際的成功を得る前の段階だが、すでにクラウトロック圏のバンドらしいドイツ発のプログレッシブ・ロックとしての輪郭ははっきりしている。Fritzのキーボードを軸にした構成は、同時代の英国プログレとは別の手触りを持つ。
Triumviratにとっての位置づけ
このアルバムは、Triumviratの出発点として重要な1枚だ。後年のIllusions On A Double Dimple(1974)、Spartacus(1975)で知られる流れの前段階にあたり、バンドの基本的な作法がここで形になっている。
その後、メンバー交代を重ねながら活動を続け、特にSpartacusで商業的なピークを迎えることになるので、デビュー作はその土台を確認する意味を持つ作品でもある。
同時代の文脈
1972年のドイツ・プログレは、英米のロックとは異なるアプローチを探っていた時期だ。Triumviratもその流れの中にあり、オルガンやシンセサイザーを前面に出した展開は、GenesisやYesのような英国プログレと比較されることが多い。
ただし、Triumviratは演奏の組み立てがかなり鍵盤主導で、ギター中心のロックとは異なる重心を持っている。Krautrockの文脈でも語られることがあるのは、その出自と音の作り方によるものだろう。
内容について
本作は、のちの代表作ほど大きく知られた曲を抱える段階ではないが、バンドの方向性を示す演奏がまとまっている。楽曲は組曲的な流れや展開の切り替えを伴い、長めの構成の中でキーボードの役割が大きい。
歌ものとしての派手さよりも、曲内のパート構成や展開で聴かせるタイプのアルバムと言える。
Triumviratは後年、アメリカでのリリースをきっかけに広く知られるようになるが、このデビュー作はまだドイツ国内での第一歩という色合いが濃い。そうした意味で、バンドの原型をそのまま残した記録として見やすい。
補足
- アーティスト: Triumvirat
- タイトル: Mediterranean Tales (Across The Waters)
- オリジナル発売年: 1972年
- リリース国: Germany
- 録音: Electrola Studios, Cologne、1972年1月
- スタイル: Krautrock、Prog Rock
Triumviratのキャリアを追うなら、まずこの1972年作で出発点を押さえておくと、その後のIllusions On A Double DimpleやSpartacusとのつながりが見えやすい。デビュー時点でのバンドの輪郭が、そのまま記録されている1枚だ。
トラックリスト
- Across The Waters (16:31)
- B1 – Eleven Kids (6:00)
- B2 – E Minor 5/9 Minor /5 (7:55)
- B3 – Broken Mirror (7:14)