The Pretty Things – S.F. Sorrow (1968)

The Pretty Things『S.F. Sorrow』

The Pretty Thingsが1968年に発表したアルバム『S.F. Sorrow』は、ロンドン出身のバンドが60年代後半のサイケデリック・ロックの流れの中で作り上げた作品だ。R&Bやブルースを出発点にしながら、当時の実験性を強く取り込んだ内容で、バンドの代表作として語られることが多い。

作品の輪郭

サウンドは、荒さのある演奏に、曲ごとの場面転換や音響的な工夫が重なる作り。ギターのざらつき、メロディの起伏、楽曲同士のつながりが目立ち、単曲の集合というよりアルバム全体で流れを追うタイプの作品として聴こえる。英国サイケデリック・ロックらしい要素を持ちながら、ブルースロック由来の筋の通った演奏も残っている。

バンドの中での位置づけ

The Pretty Thingsは1963年にロンドンで結成された英語圏のR&B/ブルース・ロック・バンドで、Phil MayとDick Taylorを中心に活動してきた。『S.F. Sorrow』は、その歩みの中でもサイケデリック志向を前面に出した時期の重要作と見られることが多い。初期の荒っぽいR&B色から、より構成のあるロック作品へ向かった流れが、このアルバムにははっきり出ている。

同時代との関係

1968年という年は、英国のロックがアルバム単位の表現へ大きく傾いていった時期でもある。The BeatlesやThe Who、Pink Floydなどがそれぞれ別の方向で作品性を広げていた中で、『S.F. Sorrow』もまた、サイケデリック・ロックの文脈に置かれることが多い一枚だ。The Pretty Thingsならではの、R&Bの骨格を残したままの組み立てが印象に残る。

曲について

アルバム全体の流れの中で聴かれる作品だが、後年に再評価される際には、構成の妙や各曲のつながりが注目されることが多い。代表曲を単独で切り出すというより、アルバム全体のまとまりで語られることの多いタイトルだ。

2000年盤について

ここで扱うのは2000年にリリースされた盤で、オリジナルの1968年作をもとにした再発盤にあたる。オリジナルの作品性をそのまま伝えるタイトルとして、後年のリリースでも参照され続けている。

The Pretty Thingsのディスコグラフィーの中でも、『S.F. Sorrow』はバンドの方向性を示す節目の作品として見ておきたい一枚だ。

トラックリスト

  • A1 S.F. Sorrow Is Born (3:15)
  • A2 Bracelets Of Fingers (3:39)
  • A3 She Says Good Morning (3:31)
  • A4 Private Sorrow (3:50)
  • A5 Balloon Burning (3:50)
  • A6 Death (3:12)
  • B1 Baron Saturday (4:02)
  • B2 The Journey (2:45)
  • B3 I See You (3:53)
  • B4 Well Of Destiny (1:47)
  • B5 Trust (2:47)
  • B6 Old Man Going (3:07)
  • B7 Loneliest Person (1:28)

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2026.05.29