Guy Chabert – Ma Tarentaise (1978)

Guy Chabert「Ma Tarentaise」(1978)について

Guy Chabertの「Ma Tarentaise」は、1978年にフランスで出たフォーク/ワールド系の作品です。タイトルが示す通り、フランス東部のサヴォワ地方にあるタランテーズ渓谷を思わせる内容で、土地の名を前面に出した作品として受け止めやすい一枚です。フランスの地方色と、当時の素朴な歌ものの空気が重なるタイプのレコードといえるでしょう。

作品の輪郭

1970年代のフランスでは、シャンソンの流れを引きながら、地方の言葉や土地の記憶を扱う音楽が少なくありませんでした。「Ma Tarentaise」もその文脈に置くと見えやすい作品です。大都市のポップスというより、地域性や暮らしの感覚を前に出したフォーク寄りの表現として聴くと、輪郭がつかみやすいです。

Guy Chabertについてまとまったプロフィールは見当たらず、この作品がどの位置づけにあるかを厳密に追うのは難しいですが、少なくともタイトルと制作年からは、フランスの地方歌謡やルーツ志向の流れの中で生まれた録音として受け取れます。1978年という時期は、フォークが単なる流行ではなく、土地や記憶を記録する手段として機能していた時代でもあります。

1978年らしい聴こえ方

この時期のフランスのフォーク作品は、英米のフォークロックほど派手な編成に寄らず、歌、アコースティック楽器、素朴な伴奏を軸にした作りが目立ちます。そうした中で「Ma Tarentaise」も、メロディと語り口、地域の名前を持つ題材そのものが作品の中心になっているタイプとして捉えられます。

同時代の比較対象としては、フランスの地方色を打ち出したシンガーソングライターや、伝統音楽を再解釈したアーティストたちの流れが思い浮かびます。とはいえ、ここでは英米フォークの模倣というより、フランス語の響きと土地の記憶を軸にした独自の手触りが重要です。

タイトルから見えるもの

「Ma Tarentaise」というタイトルは、個人の思い出と地名が結びついた作りです。アルバム全体も、観光地の紹介というより、暮らしの感覚や地域へのまなざしを歌にしたものとして読むのが自然です。地名を冠した作品は、その土地に対する親密さが前提になることが多く、この作品もそうした私的な距離感を持っている可能性が高いです。

盤としてのポイント

オリジナルの作品年は1978年で、盤も同年のリリースです。再発盤としての違いを比べる材料は手元の情報からは読み取れませんが、少なくともこのレコードは1970年代末のフランス地方フォークの空気をそのまま抱えた一枚として位置づけられます。

まとめ

Guy Chabertの「Ma Tarentaise」は、フランスの地方性が前に出た1978年作として見ると、作品の性格がつかみやすいレコードです。派手さよりも、土地の名前、フランス語の響き、歌の持つ記録性が印象に残るタイプの一枚です。

トラックリスト

  • A1 – Ma Tarentaise (5:28)
  • A2 – Infusion Au Plutonium (4:56)
  • A3 – Trame (4:05)
  • A4 – Ode Au Berger (4:32)
  • B1 – A La Vieille (3:12)
  • B2 – Liberté (4:27)
  • B3 – Le Cheval Galaxique (4:30)
  • B4 – Le Quartier Nègre (3:26)
  • B5 – Les Blés De L’Hiver (3:51)

関連動画

2026.07.13
この記事をシェア