Kings Of Convenience – Riot On An Empty Street (2004)

Kings Of Convenience『Riot On An Empty Street』

ノルウェー、ベルゲン出身のデュオ、Kings Of Convenienceによる2作目のスタジオ・アルバム。2004年にオリジナルが登場した作品で、Erlend ØyeとEirik Glambek Bøeの2人が作曲と歌を分担しながら進める、静かなアコースティック・ポップの輪郭がよく見える一枚だ。

この盤はヨーロッパ盤で、2021年リリース。ゲートフォールド・ジャケット仕様で、ランアウトはスタンプ刻印。レコードの裏面には、2003年9月から2004年3月にかけてベルゲンで録音・ミックスされたことが記されている。

作品の位置づけ

Kings Of Convenienceは、細かいギターの響きと、派手さを抑えた歌の運びで知られるデュオだが、本作でもその持ち味は変わらない。1作目で示した空気感を、より曲単位ではっきり聴かせる方向に進めたアルバムとして受け取られている。バンドというより、2本の声とギターの距離感で成立する音楽という印象が強い。

音の印象

実際に聴くと、音数の少なさがそのまま弱さにはなっていないところが印象に残る。ギターは前に出すぎず、歌も押しつけがましくないが、フレーズの置き方やコーラスの重ね方に細かな工夫がある。テンポを上げる場面でも、全体の輪郭は崩れず、部屋の中で近く鳴っているような感触が続く。

歌声は2人とも柔らかく、互いにぶつけるのではなく、少しずつ重ねていくタイプ。英語詞のポップ・ソングとしての分かりやすさもありつつ、演奏の間合いで聴かせる場面が多い作品だ。

代表曲として知られる曲

このアルバムでは「I’d Rather Dance With You」がよく知られている。軽いリズムと、少しひねった恋愛の視点がある曲で、Kings Of Convenienceの中では比較的ポップな入口になっている。「Misread」も代表曲として挙げられることが多く、抑えたビートの上に、メロディとコーラスがすっと乗る作りになっている。

作品全体は静かな曲調が中心だが、こうした曲があることで、アルバムの中の緩急が見えやすくなっている。

同時代の文脈

2000年代前半のインディー・フォークやアコースティック系の流れの中で聴くと、この作品はかなり整理された音作りに感じられる。フォークの素朴さを残しながら、ポップ・ソングとしての骨格もはっきりしているあたりが特徴だ。比較対象としては、同時代の静かなギター・ポップや、男女ではないが複数声のハーモニーを重視するアーティスト群と並べて語られることがある。

ただし、Kings Of Convenienceはその中でも、演奏の密度を上げるより、余白を保ったまま曲を成立させるところに個性がある。そこがこの作品でもはっきりしている。

再発盤としての見どころ

2021年盤という点では、オリジナルの2004年盤と比べて、当時の仕様をそのまま再提示する意味合いが強い。ゲートフォールド仕様で手に取りやすく、アナログで聴く場合は、曲間の静けさやギターの細かな鳴りが印象に残りやすい。オリジナル盤と内容面で大きく別物というより、作品の聴かれ方を今の時点でつなぎ直した盤と見てよさそうだ。

まとめ

『Riot On An Empty Street』は、Kings Of Convenienceというデュオの持つ、声とギターだけでも曲を立ち上げる力がよく出たアルバムだ。ベルゲンで録音されたという背景も含め、派手な展開よりも、曲の温度と距離感で聴かせる一枚としてまとまっている。

トラックリスト

  • A1 – Homesick (3:09)
  • A2 – Misread (3:05)
  • A3 – Cayman Islands (3:00)
  • A4 – Stay Out Of Trouble (5:00)
  • A5 – Know-How (3:54)
  • A6 – Love Is No Big Truth (3:45)
  • B1 – I’d Rather Dance With You (3:24)
  • B2 – Sorry Or Please (3:44)
  • B3 – Live Long (2:53)
  • B4 – Surprise Ice (4:20)
  • B5 – Gold In The Air Summer (3:29)
  • B6 – The Build-Up (4:05)

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2026.07.15
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