Mauro Pagani – Mauro Pagani (1978)

Mauro Pagani / Mauro Pagani

イタリアのコンポーザー、マルチ・インストゥルメンタリストであるMauro Paganiのセルフタイトル作。オリジナルは1978年、ここで扱う盤は1979年のリリースになる。ジャズ、ロック、フォーク、ワールド・ミュージックをまたぐ内容で、スタイル面ではフュージョンとアヴァンギャルドに位置づけられている。

作品の輪郭

Paganiは、Premiata Forneria Marconiでフルートとヴァイオリンを担当していた経歴でも知られる人物。このソロ作でも、そうした出自がそのまま反映されたような、楽器の動きが前面に出る構成が想像しやすい。ロックの推進力に、ジャズ寄りの即興性やフォーク由来の音色感が重なるタイプの作品として捉えられる。

リズムは直線的に押し切るというより、拍の置き方に揺れや間がありそうな作り。音の質感も、電気的なバンド・サウンドだけでなく、アコースティックな響きや管弦的なレイヤーが混ざる印象がある。ジャンル表記どおり、整理されたロック盤というより、複数の要素を行き来する構成のレコードといえる。

当時の文脈

1970年代後半のイタリア周辺では、プログレッシブ・ロックの流れを受けつつ、ジャズや民族音楽の要素を取り込んだ作品が少なくない。Mauro Paganiのこのアルバムも、その文脈の中で語られることが多そうな一枚。PFMでの活動を経たソロ作という点でも、バンドの枠を外れて個人の音楽性を示す位置づけが見えてくる。

サウンドの印象

派手な歌モノというより、演奏の組み立てや音色の切り替えに目が向くタイプ。フルート、ヴァイオリン、ギター、パーカッションなどの組み合わせから、旋律の連なりとリズムの重なりが少しずつ形を変えていくような手触りがありそうだ。ジャズ・ロックの緊張感と、フォーク的な土台が同居する感覚。

作品としての位置づけ

セルフタイトルということもあり、Mauro Pagani自身の音楽的な輪郭を示す意味合いが強い作品として見やすい。PFMのメンバーとして知られる前歴と、その後の作曲家・プロデューサーとしての活動をつなぐ、ひとつの節目のような存在。イタリアン・プログレやフュージョンの周辺に関心を向けると、自然に視界に入ってくるアルバムだろう。

トラックリスト

  • A1 Europa Minor (6:03)
  • A Argiento (4:41)
  • A3 Violer D’Amores (2:39)
  • A4 La Città Aromatica (3:32)
  • B1 L’Albero Di Canto (Part 1) (4:50)
  • B2 Choron (5:23)
  • B3 Il Blu Comincia Davvero (5:13)
  • B4 L’Albero Di Canto (Part 2) (3:51)

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2026.05.18