• TOP
  • Pop
  • Eddie Money – Can’t Hold Back (1986)

Eddie Money – Can’t Hold Back (1986)

Eddie Money『Can’t Hold Back』について

Eddie Moneyの『Can’t Hold Back』は、1986年にリリースされたアルバムで、ロックとポップのあいだを行き来する80年代らしい作品だ。Eddie Moneyは、1970年代から1980年代にかけてアメリカでヒットを重ねたシンガー/ソングライターで、この時期の作品群の中でも、80年代中盤の空気を強くまとった一枚として知られている。

この盤は日本盤で、ジャケットや音作りの雰囲気も含めて、当時の洋楽ポップ・ロックの流れをそのまま感じやすい内容だ。バンドサウンドを軸にしながら、コーラスやシンセの使い方に80年代的な整理のされた作りが見える。

作品の位置づけ

『Can’t Hold Back』は、Eddie Moneyのキャリアの中でもヒット性の強い楽曲が目立つ時期の作品だ。1980年代前半から中盤にかけての彼は、ラジオ向けのロックとポップの中間をうまくつないでいて、このアルバムもその路線にある。前年までのハードなロック色よりも、メロディとフックを前に出した作りが印象に残る。

同時代の文脈で見ると、Journey、REO Speedwagon、Foreignerのようなアメリカン・ロックの流れと近いところがある。いずれも、ギター中心のロックに大きなコーラスやシンセの装飾を加え、FMラジオで映える形に整えていた時代だ。その中でEddie Moneyは、よりストレートな歌い口と、少しざらついた声質が前面に出るタイプとして聴こえる。

代表曲について

このアルバムでは「Take Me Home Tonight」が特に重要だ。Eddie Moneyの代表曲として広く知られていて、全米チャートでも大きな成功を収めた。曲の中では、懐かしさを感じさせるメロディと、80年代らしいドライブ感が両立している。バックで聴こえるコーラスの使い方も印象的で、アルバム全体の入口としても分かりやすい一曲だ。

ほかにも、アルバム全体を通して、派手さだけに寄らず、歌そのものをしっかり聴かせる作りが続く。Eddie Moneyの持ち味である、やや荒さのある歌声が、きっちり整えられた80年代ロックの演奏とぶつかりすぎずに収まっているところが聴きどころだ。

音の印象

実際に聴くと、ドラムの輪郭がはっきりしていて、ギターは前に出すぎず、曲ごとのフックを支える役割が強い。シンセも過度には主張せず、曲の厚みを足す方向で使われている。全体として、ラジオ向けの分かりやすさと、ロックバンドらしい芯の両方がある作りだ。

歌の面では、Eddie Moneyの声の少しハスキーな質感が、整った伴奏の中でよく残る。甘さだけでは終わらないところがあり、そこがこの時代のポップ・ロック作品の中でも独自の色になっている。

日本盤としてのポイント

この盤は日本でリリースされたもので、収録内容そのものは1986年当時の作品として楽しめる。日本盤ならではの物理的な違いは、国内流通の仕様や表記の違いに表れやすいが、アルバムの基本的な内容はオリジナル期の空気をそのまま伝えるものだ。

まとめ

『Can’t Hold Back』は、Eddie Moneyが80年代のアメリカン・ロック/ポップの中で存在感を保っていた時期を示すアルバムだ。代表曲「Take Me Home Tonight」を中心に、メロディ重視の作りと、当時らしい音像がまとまっている。Eddie Moneyのディスコグラフィーを追ううえでも、1986年という時代感をつかむうえでも、分かりやすい一枚といえる。

トラックリスト

  • A1 – Take Me Home Tonight (Be My Baby) (3:31)
  • A2 – One Love (4:11)
  • A3 – I Wanna Go Back (3:54)
  • A4 – Endless Nights (3:23)
  • A5 – One Chance (4:45)
  • B1 – We Should Be Sleeping (3:54)
  • B2 – Bring On The Rain (4:55)
  • B3 – I Can’t Hold Back (3:49)
  • B4 – Stranger In A Strange Land (3:45)
  • B5 – Calm Before The Storm (4:32)

関連動画

2026.07.28
この記事をシェア