Various – Space Symphony (1978)
Various『Space Symphony』(1978)
1978年に日本でリリースされた、Various名義のコンピレーション作品です。タイトルの通り、複数の演奏者による楽曲を集めた内容で、ElectronicとRockの要素を軸にしながら、Prog RockやKrautrockの流れを思わせる構成になっています。日本盤として出ている一枚で、同時代の実験的なロックや電子音楽の接点をそのまま切り取ったような作品です。
作品の輪郭
『Space Symphony』というタイトルからも分かるように、全体としては宇宙的なイメージを前面に出した内容です。単独のバンド作品ではなくVarious名義なので、アルバム全体のまとまりは「特定の演奏者の個性」よりも「時代の音の断面」にあります。1970年代後半の日本で、電子音響や反復的なリズム、ロックの演奏感をどう組み合わせていたかを知るうえで、資料性のある一枚といえる内容です。
この時期の日本では、シンセサイザーやエフェクトを使った音作りが徐々に広がっていて、欧州のKrautrockやプログレッシブ・ロックの影響も感じられる作品が増えていました。『Space Symphony』も、そうした流れの中に置くと見えやすい盤です。派手な歌ものというより、音の層やモチーフの反復、展開の積み重ねを聴かせるタイプの作品として捉えやすいです。
聴きどころ
実際に針を落としたときの印象としては、ロック寄りのバンド演奏と、電子的な響きが同じ場面に並ぶことがこの作品のポイントです。ギター、ベース、ドラムの手触りが残る一方で、音像の中に合成音や空間処理が入り、曲の輪郭を少しずつ変えていく作り。展開を急がず、リズムやフレーズの置き方で引っ張る場面が目立つタイプです。
- 反復するリフやパターンの扱い
- 電子音の挿入による音場の変化
- 演奏の推進力と、空間を広く使う構成
「聴きどころが派手な1曲に集約される」というより、曲ごとの質感の差を追う楽しさがある作品です。代表曲のように広く知られたトラックが前面に立つタイプではなく、アルバム全体の流れで印象を残す盤といえます。
同時代の文脈
比較の軸としては、欧州のKrautrockにある反復と推進、そしてプログレッシブ・ロックの構成感が思い浮かびます。ただし、そのまま海外勢の模倣というより、日本での受け止め方や制作環境が反映された作品として見るほうが自然です。1970年代後半という時期を考えると、ロックの文法を保ちながら電子音を取り込む流れの一端として位置づけられます。
クレジット面のメモ
ライナーノートには Hideo Sato(Onkyo Kikaku)への謝辞が記されています。制作や関係者のつながりをうかがわせる記述で、当時のリリース環境や周辺の動きに関心がある人には気になるポイントです。
まとめ
Various名義の『Space Symphony』は、1978年の日本で生まれた電子音楽とロックの交差点にある作品です。アルバム単位で見ると、ひとつの強い作家性を追うというより、時代の音の手触りを集めて聴くタイプの盤。Prog RockやKrautrockの文脈に置いたときに輪郭が見えやすい、そんな内容です。
トラックリスト
- A1 – Departure
- A2 – Beyond The Sun
- A3 – Monster
- A4 – Isi
- A5 – Mental Door
- A6 – Gollum
- B1 – Ins Licht
- B2 – Rockpommel’s Land
- B3 – Rotor
- B4 – Dronsz
- B5 – Leb’ Wohl
- B6 – Gedenkminute – für a+k