Cirkel – The First Goodbye (1983)
Cirkel『The First Goodbye』(1983)について
Cirkelの『The First Goodbye』は、1983年にオランダで発表された作品。電子的な要素とロックの輪郭をあわせ持ちつつ、スタイルとしてはシンフォニック・ロック、アート・ロックの流れに置かれる一枚だ。タイトルから受ける印象どおり、華やかさよりも、組曲的な展開や曲ごとのつながりを意識した作りに目が向くタイプのレコードと言える。
この盤には、歌詞とクレジットを収めたインサートが付属する。歌詞シートではB3が「A Morning In France」とだけ表記され、B4はカバーやラベルの「Elfin」ではなく「Elphin」と記されている点が確認できる。こうした表記の違いは、実物を追うときの小さな見どころになっている。
作品の位置づけ
Cirkelのプロフィールやメンバー情報は手元では追えないものの、1983年という時期を考えると、70年代のプログレッシブ・ロックやシンフォニック・ロックの語法を引き継ぎながら、80年代らしい整理された音像へ寄せていく局面の作品として見えてくる。オランダ勢の中では、派手な技巧の誇示よりも、構成や空気の流れを重視するタイプのアルバム群と並べて語りやすい。
同時代の文脈で見ると、アート・ロック寄りの構成感、シンフォニック・ロックの広がり、そして電子音の使い方がポイントになりそうだ。大きなヒット曲で知られる作品というより、アルバム全体で聴かせるつくりの一枚として捉えるのが自然だろう。
内容の印象
実際に聴くと、曲ごとのキャラクターを明確に分けながらも、アルバム全体の流れを切らない構成が印象に残るタイプのはずだ。インサートの歌詞表記まで含めて見ると、曲名や文字情報にも意識が向けられており、作品としてのまとまりを大事にしている姿勢がうかがえる。
とくに、B3の「A Morning In France」やB4「Elphin」のように、タイトルの響きや綴り自体が作品世界の一部になっている印象がある。内容を過度に説明しすぎず、曲名と曲順で物語を進めるタイプのアルバム、と言いたくなる。
まとめ
『The First Goodbye』は、1983年のオランダ産シンフォニック・ロック/アート・ロック作品として、アルバム全体の構成と表記の細部に目が行く一枚。派手な話題性よりも、当時のロックと電子的な音色の接点を、落ち着いた形で残しているところが見どころだ。
盤面そのものより、インサートや表記の違いまで含めて追っていくと、作品の輪郭が少しずつ見えてくる。そんなタイプのレコードである。
トラックリスト
- A1 – More Than A Match
- A2 – Four Hands
- A3 – A Song Of Love And Hate
- A4 – Autumn Awakes
- B1 – The First Goodbye
- B2 – Sea
- B3 – A Morning In France – 5/8
- B4 – Elfin