Renaissance – Prologue (1972)
Renaissance『Prologue』について
『Prologue』は、Renaissanceが1972年に発表した3作目のアルバムだ。イギリス・ロンドンで始まったバンドが、メンバーを大きく入れ替えながら、シンフォニック・ロックとプログレッシブ・ロックの方向へ進んでいく途中の作品にあたる。録音は1972年6月から7月にかけてロンドンのNova Sound Studiosで行われ、Capitol Recordsからリリースされた。
この時点のRenaissanceは、初期メンバー中心の編成ではなくなっている。Keith RelfやJim McCartyの名前はバンドの出発点として重要だが、『Prologue』では新しい顔ぶれが前に出る。のちに長くバンドを支えるAnnie Haslamが参加するのも、この時期以降の流れとして大きい。
作品の位置づけ
『Prologue』は、Renaissanceが初期のバンド像から、より組曲的でクラシック音楽寄りの構成を持つグループへ寄っていく過程を示す一枚だ。次作以降に続く、Haslamを中心とした黄金期への橋渡しという見方ができる。バンド史の中では、編成変化の後に新しい方向性を形にした時期の記録として重要だ。
サウンドと内容
実際に聴くと、ギター、キーボード、ベース、ドラムが前に出るロックの土台の上で、曲の展開に余白を持たせた作りが目立つ。演奏の主張はあるが、単純に音数で押すタイプではなく、パートごとの受け渡しで進んでいく場面が多い。プログレッシブ・ロックの文脈で語られるのはそのためだろう。
同時代の英国プログレ勢、たとえばYesやGenesis、Camelのようなバンドと並べて語られることがあるが、Renaissanceは女性ヴォーカルを軸にした点で少し輪郭が違う。『Prologue』でもその後の代表作につながる特徴が見え始める。
ヒット曲・代表曲について
このアルバムは、Renaissanceの中でもシングルヒットで知られる時期より前の作品だ。のちに1978年の『A Song for All Seasons』からの「Northern Lights」でUKトップ10入りするが、『Prologue』はそうした広い知名度の前段階にある。代表曲集というより、バンドの方向性を固めていく途中のアルバムとして捉えやすい。
アナログ盤としての情報
このUS盤は、Winchester, VAプレスの個体だ。ラベル表記にはCapitolの社名表記があり、1972年当時のキャピトル盤らしい仕様になっている。記載上は℗ 1972 Capitol Records, Inc.、Nova Sound Studiosでの録音、そしてMick Parsonsへの献辞が確認できる。
まとめ
『Prologue』は、Renaissanceの初期から中期へつながる変化が見える作品だ。メンバー交代のあとに、バンドの持ち味をどう組み立て直したかという点がはっきり出ている。シンフォニック・ロック、プログレッシブ・ロックの流れを追ううえで、1972年という時点の空気がそのまま入った一枚と言える。
トラックリスト
- A1 – Prologue (5:39)
- A2 – Kiev (7:39)
- A3 – Sounds Of The Sea (7:09)
- B1 – Spare Some Love (5:05)
- B2 – Bound For Infinity (4:17)
- B3 – Rajah Kahn (11:14)