The Wild Swans – Bringing Home The Ashes (1988)
The Wild Swans『Bringing Home The Ashes』について
The Wild Swansは、1980年にリヴァプールで結成されたポストパンク・バンド。Paul Simpsonを中心に動きながら、Ian Broudie、Ian McNabb、Chris Sharrock、Les Pattinsonら、後にそれぞれ別の場面でも名前が見えてくるメンバーが関わったグループとしても知られている。
『Bringing Home The Ashes』は、1988年に出たデビュー・アルバム。タイトル曲「Bringing Home The Ashes」をはじめ、「Whirlpool Heart」「The Worst Year Of My Life」などを収録した作品で、The Wild Swansの初期像をまとめて確認できる1枚になっている。
作品の位置づけ
1980年代後半のUKロック/ニュー・ウェイヴの流れの中に置くと、このアルバムはポストパンクの出自を残しつつ、曲作りを前面に出した内容として捉えやすい。The Wild Swansは活動の継続性よりも、メンバーの移り変わりや断続的な存在感で語られることも多く、その中で『Bringing Home The Ashes』は最初のまとまった記録という意味を持つ。
同時代のリヴァプール周辺のバンド群、たとえばThe Teardrop ExplodesやEcho & the Bunnymen、あるいは後に別の形で広く知られることになるメンバーの経歴を思うと、このアルバムにも当時のUKインディー/ニュー・ウェイヴの空気がそのまま残っている。とはいえ、単に地域性だけで片づく作品ではなく、Paul Simpsonのバンドとしての輪郭が見えやすい内容でもある。
収録曲と注目点
タイトル曲「Bringing Home The Ashes」は、この作品の顔として扱われることが多い。加えて「Whirlpool Heart」「The Worst Year Of My Life」もアルバムの中心に置かれている曲で、作品説明でも名前が挙がる定番曲になっている。
曲名だけを追っても、感情の起伏や日常の摩擦をそのまま切り取るような作りが見えてくる。派手な装飾より、楽曲単位の輪郭で聴かせるタイプのアルバムとして理解しやすい。
2023年盤について
今回の盤は、2023年リリースのオランダ盤。Music On Vinylによる180グラム仕様のオーディオファイル・ヴァイナルで、インサート付き。さらに、1000枚限定の個別番号入り、トランスルーセント・グリーン・カラー・ヴァイナルという仕様になっている。
オリジナルの1988年盤と比べると、作品そのものは同じデビュー・アルバムだが、2023年盤はアナログ再発としての体裁がはっきりしている。重量盤、インサート、限定カラーヴァイナルというパッケージ面の違いが大きい。
メンバーについて
クレジットに挙がる名前には、Ian Broudie、Ian McNabb、Chris Sharrock、Les Pattinson、Paul Simpson、Rick Maymi、Jeremy Kellyなどが並ぶ。関わった顔ぶれの広さは、このバンドが単独の固定メンバーだけで語りにくいことも示している。
まとめ
『Bringing Home The Ashes』は、The Wild Swansのデビュー作として、1980年代UKニュー・ウェイヴ/ポストパンクの文脈に置きやすいアルバム。2023年盤はMusic On Vinylの再発仕様で、限定カラー盤としての存在感もある。作品の核は1988年のデビュー・アルバムにあり、その輪郭を現在のアナログ盤で改めて確認できる一枚、という位置づけになる。
トラックリスト
- A1 – Young Manhood (3:51)
- A2 – Bible Dreams (3:17)
- A3 – Bitterness (3:39)
- A4 – Archangels (3:22)
- A5 – Northern England (3:29)
- B1 – Whirlpool Heart (3:00)
- B2 – Bringing Home The Ashes (3:49)
- B3 – Mythical Beast (3:15)
- B4 – Now And Forever (3:09)
- B5 – The Worst Year Of My Life (4:18)