The Fevers – The Fevers (1973)
The Fevers『The Fevers』(1973)
ブラジルのグループ、The Feversが1973年に発表したセルフタイトル作。ロック、ラテン、ファンク/ソウル、ポップの要素をまたぎながら、サイケデリック・ロック、バラード、MPBの流れも見える一枚で、当時のブラジルらしいポップス感とバンド演奏のまとまりが前面に出た作品として捉えられる。
作品の位置づけ
The Feversはブラジル国内で長く活動してきたバンドで、この1973年作は、グループ名をそのまま冠したアルバム。バンドの輪郭を示すタイトル盤として見やすく、当時の音楽シーンの中でグループの持ち味を整理した作品として扱えそうだ。メンバーにはPedrinho Da Luz、Augusto César、Almir、Cleudir Borges、Almir Bezerra、Liebert Ferreira、Rama、Luiz Cláudio、Otávio Henrique、Miguel Ângelo、Lécio Do Nascimento、Ivanilton De Souza Limaが名を連ねる。
サウンドの印象
この時期のブラジル音楽は、ロック、ソウル、ポップス、MPBが近い距離で行き来していたが、本作もその空気を共有している。ビートの立ち方はロック寄りでありつつ、メロディの運びには歌謡性があり、さらにリズム面ではラテンやファンク/ソウルの感触が差し込まれる。そこにサイケデリック・ロック的な音の広がりと、バラードの流れが入ることで、単なるロック盤というより、当時のポップ・アルバムとしてのまとまりがある。
実際に聴くと、演奏は派手に崩すよりも、曲ごとの輪郭をはっきり出す方向に寄っている印象を受ける。ギター、リズム隊、歌のバランスが取りやすく、曲調の切り替えでアルバム全体を進めていくタイプの作りに見える。
同時代の文脈
1973年のブラジルでは、MPBの洗練と、ロックやソウルの影響を受けたバンド・サウンドが並走していた。本作もその文脈の中に置ける作品で、ジャンルの境目をまたぎながらも、あくまで大衆性のある作りを保っている。比較対象を挙げるなら、同時代のブラジルのポップロックやMPB寄りのバンド作品に近い視点で聴かれることが多そうだ。
代表曲について
このアルバムについては、収録曲の中で特定のヒット曲を前提に語るより、アルバム全体のまとまりで受け取る性格が強い。セルフタイトル盤らしく、作品名そのものがバンドの提示になっている。
まとめ
The Fevers『The Fevers』は、1973年のブラジルの空気を反映した、ロックとポップスの間を行くバンド作。サイケデリック、バラード、MPB、ソウルの要素が一枚に収まっていて、グループの音楽性をそのまま示すタイトル盤として読める作品だ。
トラックリスト
- A1 – Hey Girl (3:09)
- A2 – Se Você Me Quizesse = I’d Love You To Want Me (3:15)
- A3 – Rock Da Pesada (2:22)
- A4 – Don’t Say Goodbye (2:51)
- A5 – Tudo Que Eu Quero Eu Tenho (2:16)
- A6 – Sem Você = The Flying Dutchman (3:29)
- B1 – Alguém Em Meu Caminho (2:35)
- B2 – Superman (2:39)
- B3 – Algo Errado Em Mim (2:57)
- B4 – Meu Desejo = I’m On Fire (2:42)
- B5 – Gás Neon (2:09)
- B6 – Vivo A Sonhar Com Você = Mademoiselle (2:36)
- B7 – Tudo Passa = Trop Belle Pour Rester Seule (2:30)