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Yes – Going For The One (1977)

Yes『Going For The One』について

1970年代のプログレッシブ・ロックを代表するバンド、Yesが1977年に発表したアルバムが『Going For The One』。長尺の組曲や複雑な構成で知られてきたバンドが、この作品では比較的短めの楽曲を中心にまとめているのが大きな特徴だ。オリジナル編成の流れを引き継ぎながらも、鍵盤のRick Wakemanが復帰している点も重要で、バンドの音に再び厚みが戻った時期の作品として位置づけられる。

Yesは、英国出身のロック・バンドとして知られ、プログレッシブ・ロックの中心的存在のひとつ。緻密な演奏、長い曲、神秘的な歌詞、大掛かりなアルバム・アートやステージ演出まで含めて語られることが多い。この『Going For The One』も、その流れの中にある一枚だが、同時に70年代後半の時代感に合わせて、曲のまとまりや分かりやすさが前に出ている印象がある。

アルバムの位置づけ

この作品は、Yesにとって転機の一枚と見られることが多い。前作までの大作志向をそのまま引きずるのではなく、楽曲の尺を抑えつつ、演奏と構成の密度で聴かせる作りになっている。プログレの文脈でいうと、同時代のGenesisやELPと並べて語られることのある時期だが、Yesの場合はとくにメロディとアンサンブルの緊張感が前面に出やすい。

アルバムはイギリスのチャートで1位を記録し、アメリカのBillboard 200でも8位を記録している。バンドの中でも商業的な成功を収めた作品のひとつであり、1970年代Yesの代表作として扱われることが多い。

収録曲と聴きどころ

収録曲の中では、シングルとしても知られる「Wonderous Stories」と「Going for the One」がよく挙げられる。「Wonderous Stories」は、Yesの楽曲の中でも比較的コンパクトで、旋律の流れが素直に耳に残るタイプの曲。「Going for the One」は、アルバム表題曲らしく、バンドの推進力が前に出る。

一方で、長尺曲として配置された「Awaken」は、このアルバムの核にあたる存在だ。宗教的・精神的なイメージを含む歌詞、展開の多い構成、オルガンの響きが印象に残る。録音にはスイス・モントルーのMountain Studiosが使われ、教会オルガンはヴヴェイのSt. Martin’s Churchで録られている。こうした制作環境も、曲の音像に直接つながっている。

実際に聴くと、Rick Wakemanのキーボードが戻ったことで、音の層が明確に増しているのが分かる。Steve Howeのギター、Chris Squireのベース、Alan Whiteのドラム、Jon Andersonの歌が、それぞれ前に出過ぎずに絡むバランスもこの時期のYesらしいところ。派手さだけで押し切るのではなく、細かいパートの積み重ねで曲が進む感触がある。

サウンドと制作面

このUS盤は1977年のオリジナル・リリースで、ゲートフォールド仕様のロールフォールド・スリーブ、歌詞入りのダストバッグ付きというパッケージ。ランアウトには手書き刻印とSRCロゴのスタンプがある。録音はMountain Studiosを中心に行われ、B2のみEglise des Planchesで録音されている。さらに教会オルガンは別の教会で収録されており、アルバム全体に独特の空間感を与えている。

プログレッシブ・ロックというと大作主義や技巧面が注目されやすいが、この作品では、そうした要素に加えて、曲単位の輪郭が少しはっきりしている。70年代中盤までのYesに比べると、聴き手の入口が少し広くなった時期の記録とも言えそうだ。

まとめ

『Going For The One』は、Yesが持っていた複雑な構成力と演奏の精密さを保ちながら、より短い楽曲の中でその持ち味を整理した作品。Rick Wakemanの復帰、代表曲「Wonderous Stories」「Going for the One」、そして長尺の「Awaken」という並びで、1977年のYesの姿がはっきり見える一枚だ。プログレッシブ・ロックの黄金期を語るうえで外しにくいアルバムのひとつ。

トラックリスト

  • A1 – Going For The One (5:30)
  • A2 – Turn Of The Century (7:58)
  • A3 – Parallels (5:52)
  • B1 – Wonderous Stories (3:45)
  • B2 – Awaken (15:38)

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2026.09.09
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