• TOP
  • Rock
  • Andy Summers – I Advance Masked (1982)

Andy Summers – I Advance Masked (1982)

Andy Summers『I Advance Masked』について

『I Advance Masked』は、The Policeで知られる英国のギタリスト、Andy Summersが1982年にリリースした作品だ。タイトルはこの年に初めて世に出たもので、アルバムとしてはギターの表現を前面に出したインストゥルメンタル作品として位置づけられる。

Andy Summersは1942年、イングランド・ランカシャー生まれ。The Policeでの活動が最もよく知られているが、ソロ作品ではロックだけでなくジャズ寄りの感触やアンビエント、フュージョンの要素も扱ってきた人物で、このアルバムもその流れの中にある一枚だ。

作品の成り立ち

本作は、ギター中心のインスト作品としてまとめられている。録音は1981年9月にドーセット州パークストンのArny’s Shackで行われ、その後、1982年5月にロンドンのIsland Studiosでも作業が行われた。ミックスはIsland StudiosでTim Summerhayesとともに進められた。

クレジット上はシンプルだが、演奏の重心はかなり明確で、歌を置かずに音の動きだけで曲を組み立てるタイプの内容だ。The Policeのギター・ワークを知っていると、そこからさらに旋律や空間の作り方を広げた作品として受け取りやすい。

音の印象

実際に聴くと、派手に押し出すというより、フレーズの反復や音の余白で進む曲が多い。リズムの立て方も単純なバッキング中心ではなく、ギター同士の掛け合いやレイヤーの重なりで曲の輪郭を作っていく印象が強い。

インストゥルメンタル作品としては、メロディが前に出る場面と、音響的な広がりに寄る場面が共存している。耳当たりのよさだけでまとめるのではなく、フレーズの切れ方や音の置き方にかなり注意が向いている感じだ。

当時の文脈

1982年という年で見ると、ロックの中でもギタリスト主導のインスト作品や、アンビエント寄りの質感を持つ作品が少しずつ存在感を増していた時期だ。本作もその流れの中で、ロックの文法を土台にしながら、空間性のある音作りへ踏み込んだアルバムとして捉えやすい。

比較の軸としては、同時代のギター・インスト作品や、よりジャズ寄りのアプローチを取るギタリストたちが思い浮かぶが、Andy Summersの場合はテクニックを前面に出すというより、曲全体の流れの中でギターを機能させている点が特徴だ。

収録曲について

この作品はタイトル曲のようなわかりやすい代表曲で押すタイプではなく、アルバム全体のまとまりで聴く性格が強い。シングルヒットを軸にした作品というより、アルバム単位でギターの表情を追う内容だ。

日本盤について

この日本盤は、Victor Musical Industriesによる日本国内流通盤で、帯と印刷インサート付き。レーベル表記やインサートの収録時間表記も含め、当時の国内盤らしい作りになっている。

まとめ

『I Advance Masked』は、The Policeのギタリストという顔だけでは見えにくい、Andy Summersのインストゥルメンタル志向がよく出た1982年の作品だ。ロックの枠に置きながら、フレーズの反復、空間の使い方、音色の重なりで聴かせる内容で、彼のソロ作の出発点のひとつとして見てよさそうだ。

トラックリスト

  • A1 – I Advance Masked (5:10)
  • A2 – Under Bridges Of Silence (1:42)
  • A3 – China – Yellow Leader (7:08)
  • A4 – In The Cloud Forest (2:29)
  • A5 – New Marimba (3:37)
  • A6 – Girl On A Swing (2:01)
  • B1 – Hardy Country (3:00)
  • B2 – The Truth Of Skies (2:07)
  • B3 – Painting And Dance (3:24)
  • B4 – Still Point (3:03)
  • B5 – Lakeland / Aquarelle (1:42)
  • B6 – Seven On Seven (1:37)
  • B7 – Stultified (1:26)

関連動画

2026.09.20
この記事をシェア