Peter Gabriel – Secret World Live (1994)

Peter Gabriel『Secret World Live』について

Peter Gabrielの『Secret World Live』は、1994年に発表されたライヴ作品で、1993年11月16日と17日にイタリア・モデナで行われた公演を収めたアルバムだ。Peter Gabrielにとっては2枚目のライヴ・アルバムであり、同時にソロ作品群の中でも大きな存在感を持つ1作。Secret World Tourのコンサート体験を記録した内容で、当時のPeter Gabrielのステージ表現をそのまま持ち帰ったような作品になっている。

作品の位置づけ

Peter Gabrielは、Genesisの初期メンバーとして知られたのち、ソロ活動で独自の道を築いたアーティストだ。この『Secret World Live』は、そのソロ期の充実を示すライヴ盤として位置づけられる。スタジオ作品とは違い、演奏の流れや会場の空気感、バンドの一体感が前面に出るタイプの作品で、Peter Gabrielの作品の中でも「楽曲をどう見せるか」という視点がはっきり表れた記録といえる。

収録時の背景

本作は、1993年11月にモデナで行われたコンサートをベースにしている。クレジットには「Based on an original concert by Peter Gabriel」とあり、ライヴを核にしながらも、追加録音や制作がReal World StudiosやパリのGuillaume Tell Studiosで行われている。ライヴ音源をそのまま並べるだけではなく、作品としてのまとまりも意識された構成だ。

また、Secret World Liveのコンサート・フィルムがFrançois Girard監督で制作されている点も、この作品の広がりを示している。音だけでなく、映像を含めたトータルなステージ作品として扱われているのが特徴だ。

曲の印象

実際に聴くと、ライヴならではのテンポの作り方がはっきりしている。楽曲によっては原曲の輪郭を保ちながら、演奏の密度や間の取り方が変わり、スタジオ版とは違う呼吸が出てくる。Peter Gabrielの歌唱も、きっちりとしたメロディの運びと、ライヴ会場での発声の強さが両立していて、曲ごとの表情が見えやすい。

代表曲としては、Shaking the TreeAcross the River のクレジットが確認できる。Shaking the Tree は共同クレジットのある楽曲として知られ、このライヴでも重要な位置を占める1曲だ。Across the River も含めて、当時のPeter Gabrielが持っていた世界音楽的な要素、リズムの組み立て、音のレイヤーの作り方がライヴ編成の中で整理されている。

2020年盤について

今回の盤は2020年リリース。オリジナルの1994年盤から時間を置いての再発で、2枚組LP、180グラム盤、33 1/3回転、ハーフスピード・リマスターという仕様になっている。さらにHi-Resのダウンロードコードも付属する。ジャケットはシングルスリーブで、2枚の印刷インナー・スリーブが入り、ライヴ写真、クレジット、謝辞が収められている。

盤面の情報としては、PGLPR8、PGLPR8LP1、PGLPR8LP2などのカタログ番号が確認できる。2020年盤ではリマスターとカッティングが施されており、オリジナルのライヴ作品をアナログで聴き直すための再構成盤という印象が強い。

音楽性と文脈

ジャンル表記はElectronic、Rock、Art Rock、Prog Rock、Ambient、New Age。Peter Gabrielのソロ作品らしく、ロックの枠だけで収まらない音作りが軸にある。バンドの演奏を前に出しながら、空間の使い方や音色の積み重ねに気を配っている点は、同時代のアートロックやプログレッシブ・ロックの流れともつながる。

ただし、単に技巧を見せるライヴではなく、楽曲そのものの構成と、ステージ全体の演出を一体で見せる作品になっている。Peter Gabrielがソロ活動で積み上げてきた制作感覚が、ライヴの場でどう機能するかを示す記録として見やすい。

まとめ

『Secret World Live』は、1993年のSecret World Tourを軸にしたPeter Gabrielのライヴ・ドキュメント。1994年のオリジナル発表から長く評価されてきた作品で、2020年盤では180グラムの2枚組LPとして再提示されている。スタジオ作品とは違う曲の流れ、会場の空気、演奏の組み立てがまとまった1作として、Peter Gabrielのソロ期を知るうえで重要なタイトルだ。

トラックリスト

  • A1 – Come Talk To Me
  • A2 – Steam
  • A3 – Across The River
  • A4 – Slow Marimbas
  • A5 – Shaking The Tree
  • B1 – Red Rain
  • B2 – Blood Of Eden
  • B3 – San Jacinto
  • B4 – Kiss That Frog
  • B5 – Washing Of The Water
  • C1 – Solsbury Hill
  • C2 – Digging In The Dirt
  • C3 – Sledgehammer
  • C4 – Secret World
  • D1 – Don’t Give Up
  • D2 – In Your Eyes

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2026.09.05
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