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Jon Hassell – Fourth World Vol. 1 – Possible Musics = 第四世界の鼓動 (1980)

Jon Hassell『Fourth World Vol. 1 – Possible Musics』について

Jon Hassellの『Fourth World Vol. 1 – Possible Musics』は、1980年に発表された作品です。トランペット奏者、作曲家、作家として知られるHassellが、自身のいう「Fourth World」という考え方を前面に出した初期の代表作で、電子音響と即興演奏のあいだを行き来する内容になっている。ジャンル表記はElectronic、スタイルはExperimental、Ambient。

このアルバムは、Hassellの音楽的な方向性を理解するうえで重要な位置にある作品として知られている。西洋の楽器であるトランペットを起点にしながら、インド音楽やミニマル・ミュージック、電子処理の感覚を接続していく流れが、この時点ですでに明確に表れている。

作品の位置づけ

Jon Hassellは、古いものと新しいもの、作曲と即興、東洋と西洋をひとつの音楽語法にまとめようとした人物として語られることが多い。このアルバムは、その発想をタイトルからも示した一枚で、後年の彼の活動を考えるうえでも出発点のような存在といえる。

Hassellはカールハインツ・シュトックハウゼンのもとで電子音楽やセリエル音楽を学び、その後ニューヨークでラ・モンテ・ヤングやテリー・ライリーと接点を持った。その経歴を踏まえると、本作の響きには実験音楽やミニマルの文脈が自然に通っている。

音の特徴

実際に聴くと、中心にあるのは派手な展開ではなく、音の配置と余韻の管理だ。トランペットは旋律を前に出すというより、細く長い音色やフレーズの断片として置かれ、電子的な処理や空間の広がりの中に溶け込んでいく。リズムで押す部分より、持続音や反復、音の距離感が印象に残る。

また、一般的なジャズ・トランペット作品のようなソロの見せ場とは少し違い、音そのものの質感を聴かせる場面が多い。音が鳴ってから消えるまでの時間、背後の層、輪郭の曖昧さが、この作品の聴きどころになっている。

同時代の文脈

1980年前後は、アンビエントや実験電子音楽の領域が広がっていた時期でもある。この作品は、その流れの中で、単なる環境音楽というより、異文化の要素を組み替えながら新しい音楽の地平を探る動きとして受け取られてきた。

比較対象としては、ブライアン・イーノ周辺のアンビエント、あるいはミニマルの反復感を持つ音楽が思い浮かぶ。ただしHassellの場合は、トランペットという生楽器の存在感が強く、電子音楽でありながら身体的な息づかいが残っている点が特徴的だ。

ヒット曲・代表曲について

このアルバムはシングルヒットを前提にした作品ではない。楽曲単位で広く知られるというより、アルバム全体の流れやコンセプトで語られることが多い。代表作としては、やはりこの『Fourth World Vol. 1 – Possible Musics』そのものが挙げられることが多い。

盤の情報について

今回の盤は1980年のオリジナル期のリリースで、作品の初出当時の空気を伝える一枚といえる。クレジットでは、℗ 1980 E.G. Records Ltd.、楽曲著作権はEG Music Ltd. 1980と記されている。

まとめ

『Fourth World Vol. 1 – Possible Musics』は、Jon Hassellが自分の音楽語法をはっきり示した初期の重要作。電子音響、実験性、アンビエントの要素を持ちながら、トランペットの息づかいが前に残る、輪郭のはっきりした作品だ。1980年という時点で、この方向性をここまで明確に打ち出していたこと自体が、このアルバムの大きな特徴になっている。

トラックリスト

  • A1 – Chemistry = ケミストリー (6:48)
  • A2 – Delta Rain Dream = デルタ・レイン・ドリーム (3:22)
  • A3 – Griot (Over “Contagious Magic”) = グリオ (4:00)
  • A4 – Ba-benzélé = バ・ベンゼレ (6:03)
  • A5 – Rising Thermal 14° 16′ N; 32° 28′ E = ライジング・サーマル 北緯14度16分 東経32度28分 (3:34)
  • B – Charm (Over “Burundi Cloud”) = チャーム (21:24)

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2026.07.11
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