• TOP
  • Rock
  • Triumvirat – Old Loves Die Hard (1976)

Triumvirat – Old Loves Die Hard (1976)

Triumvirat『Old Loves Die Hard』(1976)について

Triumviratは、ドイツ・ケルンで結成されたプログレッシブ・ロック・バンドだ。キーボードのJürgen Fritzを中心に、緻密な構成とシンフォニックな展開を持つ作品を発表してきたグループで、この『Old Loves Die Hard』は1976年に発表されたアルバムである。バンドにとっては、前作『Spartacus』(1975)で得た勢いのあとに出た作品で、同時代の英国系プログレとは少し違う、ドイツらしい硬質さとクラシカルな組み立てが前面に出た一枚として位置づけられる。

この時期のTriumviratは、Jürgen Fritz、Barry Palmer、Dick W. Frangenberg、Hans Batheltを軸にした編成。制作は1976年1月5日から4月6日にかけて、W. GermanyのケルンにあるEMI Electrola Studio 1で録音・ミックスされている。アルバム全体に、スタジオ作品としての作り込みの細かさがある一方で、前作までと比べると商業的な広がりは限定的だったとされる。

作品の位置づけ

Triumviratにとって『Old Loves Die Hard』は、人気作『Spartacus』の次に置かれた重要な作品だが、バンドの流れの中では転機のような一枚でもある。プロフィール情報でも触れられている通り、この作品は前作ほどの成功には至らず、サポート・ツアーも行われなかった。その後バンドは解散しており、Triumviratの活動史の中では、70年代中期の勢いが一段落した地点にある。

ドイツのプログレという文脈では、CanやFaustのような実験色の強いグループとは方向が異なり、Triumviratはむしろキーボード主体の組曲的な構成、メロディの運び、英米プログレに通じる組み立てで聴かれることが多い。Emerson, Lake & Palmerを想起させるタイプの演奏感を持つ、という見方もされやすいバンドだ。

収録曲と注目点

このアルバムでは「The History Of Mystery」が1曲としてまず目に入る。リリースノートによると、この曲のヴォーカルはCologneのStudio Nで録音されている。曲名からも分かる通り、物語性を持たせた構成が意識されているような作りで、Triumviratらしい組曲的な発想の延長線上にある。

また、アルバム全体は英語詞で進み、キーボードの比重が高い。バンドの音の核がピアノ、オルガン、シンセサイザーにあることはこの時期も変わらず、リズム隊と歌がその上を支える形になっている。プログレッシブ・ロックらしい展開、パートごとの切り替え、演奏の密度が聴きどころになる作品だ。

盤の仕様と当時のリリース情報

この1976年のドイツ盤は、シングル・スリーブ仕様で、プリントされたポリ/ペーパーの内袋付き。初期プレスにはEMI Electrolaの「German Rock Paradise」カタログのインサート、または同種の告知ステッカーが付いていた個体もある。ジャケット表記では「EMI Electrola GMBH. All rights reserved.」「Printed in Germany by 4P NICOLAUS GMBH, Koln」とあり、ラベルには「℗ 1976 EMI Electrola GmbH」「MADE IN GERMANY」と記されている。ランアウトはスタンプ仕様。

オリジナル盤として見ると、発売当時のドイツEMI系のプレスらしい、かなり実用的な装丁でまとまっている。派手な仕様というより、EMI Electrolaのカタログ作品としてきちんと流通した盤、という印象が強い。

Triumviratの中での見え方

Triumviratは、デビュー以降『Mediterranean Tales (Across The Waters)』『Illusions On A Double Dimple』『Spartacus』と、アルバムごとに存在感を強めてきた。『Old Loves Die Hard』はその流れの中で、まだ壮大なプログレ色を保ちながらも、バンドの勢いが少し変わっていく時期を写している。

プログレというジャンルが70年代半ばにかけて大きな転換点を迎える中で、このアルバムもまた、拡張的な構成とロックとしての輪郭のあいだに置かれた作品として聴かれてきた。Triumviratのディスコグラフィーを追ううえでは、『Spartacus』の次にある実録的な一枚、という見方が自然だろう。

まとめ

『Old Loves Die Hard』は、1976年のドイツ産プログレッシブ・ロックを代表するTriumviratの作品のひとつであり、バンドの転機に位置するアルバムだ。録音はケルンのEMI Electrola Studioで行われ、キーボード主体の構成、英語詞、組曲的な展開というTriumviratらしさがしっかり残っている。前作『Spartacus』のあとに続く作品として、バンドの歴史を追ううえで外せないタイトルである。

トラックリスト

  • A1 – I Believe (7:51)
  • A Day In A Life
  • A3 – The History Of Mystery (Part One) (7:50)
  • B1 – The History Of Mystery (Part Two) (3:59)
  • B2 – A Cold Old Worried Lady (5:50)
  • B3 – Panic On 5th Avenue (10:31)
  • B4 – Old Loves Die Hard (4:26)

関連動画

2026.09.30
この記事をシェア