After The Fire – Der Kommissar = 秘密警察 (1982)
After The Fire「Der Kommissar = 秘密警察」について
After The Fireは、1972年にロンドンで結成されたイギリスのグループ。キーボード奏者のPeter Banksを中心に始まり、初期はプログレッシブ・ロック寄りの活動からスタートし、その後ニュー・ウェイヴ/シンセポップへと軸足を移していったバンドである。
この「Der Kommissar = 秘密警察」は、1982年発表のコンピレーション盤で、1983年に日本で出た盤。タイトル曲の「Der Kommissar」は、After The Fireの代表曲として知られている1曲で、バンドの後期を象徴するシングルでもある。
作品の位置づけ
After The Fireのディスコグラフィーの中では、初期のプログレ色よりも、シンセを前面に出した時期のまとまりを確認しやすい内容の編集盤という印象。収録曲のクレジットを見ると、1979年、1980年、1982年のCBS録音が混在していて、バンドの変化を年代順にたどるような構成になっている。
1980年代前半の英国ニュー・ウェイヴ/シンセポップの流れの中で、After The Fireは、同時代のバンドと比べてもキーボードの輪郭がはっきりしたサウンドが特徴的な存在。想起される比較対象としては、同じくシンセを軸にしたバンド群が挙がるが、この作品ではロックバンドとしての骨格も残っている。
収録曲と代表曲
中心になるのはやはり「Der Kommissar」。原曲はFalcoのヒットで、After The Fire版も英語圏でよく知られるようになった楽曲である。タイトルに「秘密警察」と添えられている日本盤は、その楽曲の認知度を前提にした出し方になっている。
収録内容は編集盤らしく、単独のアルバムというより、バンドの複数時期の録音をまとめた構成。曲ごとに制作時期が分かれているため、1枚の中で音の質感の変化が見えやすい。
- 1982年録音曲群: もっとも「Der Kommissar」期のAfter The Fireらしさが出る部分
- 1980年録音曲群: シンセポップ寄りの方向性を固めていく時期の曲
- 1979年録音曲群: まだ前段階のバンドの輪郭が残る時期の曲
日本盤としての見どころ
この盤は日本リリースで、邦題「秘密警察」が付いているのが特徴。1980年代前半の日本盤では、ヒット曲を前面に出したタイトルや表記がよく見られ、この作品もその流れの中にある。
再発盤として見ると、オリジナルの1982年リリースをもとにしつつ、1983年の日本盤として市場に出たもの。収録年の幅があるため、単一時期のスタジオ作ではなく、バンドの変遷をまとめて把握するための1枚として整理できる。
まとめ
After The Fireの「Der Kommissar = 秘密警察」は、バンドの代表曲を軸に、1979年から1982年にかけての録音をまとめたコンピレーション盤。初期プログレからニュー・ウェイヴ/シンセポップへ移っていく流れの中で、After The Fireがどの位置にいたかをつかみやすい作品である。
「Der Kommissar」の存在で知られる一方、編集盤全体としては、CBS時代の各年の音を並べた構成が目立つ。バンドの変化を追うための資料性もある内容、といえる。
トラックリスト
- A1 – Der Kommissar (4:07)
- A2 – Who’s Gonna Love You (When You Are Old Fat And Ugly) (4:05)
- A3 – Frozen Rivers (3:36)
- A4 – Joy (3:17)
- A5 – Dancing In The Shadows (3:02)
- A6 – Billy Billy (4:40)
- B1 – 1980-F (2:32)
- B2 – Rich Boys (3:02)
- B3 – Starflight (4:13)
- B4 – Laser Love (3:28)
- B5 – Love Will Always Make You Cry (3:30)
- B6 – One Rule For You (3:24)
- B7 – Sailing Ship (3:57)