Diana Ross – Diana Ross (1976)
Diana Ross『Diana Ross』について
ダイアナ・ロスが1976年に発表した6作目のソロ・スタジオ・アルバム。モータウンでのグループ活動を経て、ソロ・アーティストとしての存在感をさらに固めていく時期の作品で、ファンク/ソウルの流れの中に置ける1枚だ。1975年に録音され、1976年2月10日にリリースされている。
この1987年のUS盤は、オリジナルの1976年盤から見れば後年のプレスにあたる。作品そのものは1976年のアルバムとして受け取るのが自然で、盤の年はその再流通のタイミングを見るうえでの情報になる。
作品の位置づけ
ダイアナ・ロスは、The Supremesのリード・シンガーとして成功を収めたのち、ソロではR&B、ソウル、ディスコ、ジャズへと活動の幅を広げていく。この『Diana Ross』は、そのソロ期の中でも1970年代半ばの流れをはっきり示すアルバムで、モータウン期の華やかさと、当時のソウル・アルバムらしい骨格が並ぶ時期の一作として捉えやすい。
同時代の女性ソウル・シンガーでいえば、同じくモータウン周辺で活躍したアーティストたちや、ディスコへ接近していくシーンとの比較がしやすい。ダイアナ・ロスの場合は、グループ時代から続く高い知名度を背景に、ソロでも歌声の輪郭を前に出す作りが特徴になっている。
聴きどころ
アルバム全体は、歌の芯を中心に置いた作りで、派手な装飾よりも曲の流れと声の運びが印象に残る。ファンク寄りのリズム感と、ソウル・アルバムらしいメロディの運びが同居していて、ダイアナ・ロスのソロ作としては、キャリアの中で安定した立ち位置にある1枚といえる。
実際に聴くと、フレーズの置き方や語尾の抜き方に、グループ時代とは違うソロならではの進め方が見えてくる。大きく歌い上げる場面だけでなく、言葉を少し前に出すような歌い方があり、そこがアルバムの流れを作っている。
時代背景と比較
1976年という年は、ソウルがディスコへ広がっていく途中にある時期でもある。このアルバムも、その時代の空気を受けつつ、完全にダンス寄りへ振り切るのではなく、ソウル・アルバムとしてのまとまりを保っている。
ダイアナ・ロスのソロ作品群の中では、1970年代の代表的な流れのひとつとして見ておくと分かりやすい。The Supremes時代の延長線上にあるスター性と、ソロでの表現が重なる時期の記録でもある。
ヒット曲・代表曲について
このアルバム単体での代表曲としては、収録曲の中で特に広く知られた曲があるかどうかを断定しにくいが、ダイアナ・ロスの1970年代ソロ期を語るうえでは、彼女の歌唱とモータウン的なポップ・ソウルの結びつきを確認できる作品として位置づけられる。
1987年US盤について
1987年のUS盤は、1976年オリジナルの内容を後年に手に取りやすくした再登場盤として見られる。オリジナル盤との違いは主にプレス時期にあり、作品の基本的な中身は1976年のアルバムとして理解してよさそうだ。
まとめ
『Diana Ross』は、ダイアナ・ロスのソロ・キャリアの中で、1970年代半ばのソウル感覚を押さえたアルバムだ。グループ出身のスターが、ソロ歌手としてどう曲を運ぶかが見えやすい1枚で、1976年のモータウン周辺の空気も感じ取りやすい。
トラックリスト
- A1 – Theme From Mahogany (Do You Know Where You’re Going To) (3:23)
- A2 – I Thought It Took A Little Time (3:33)
- A3 – Love Hangover (7:48)
- A4 – Kiss Me Now (2:42)
- B1 – You’re Good My Child (3:35)
- B2 – One Love In My Lifetime (3:40)
- B3 – Ain’t Nothin’ But A Maybe (3:27)
- B4 – After You (4:13)
- B5 – Smile (2:55)