Various – Philadelphia Sound Best Hits (1975)
Philadelphia Sound Best Hits(1975)について
「Philadelphia Sound Best Hits」は、Various名義でまとめられた1975年のコンピレーション盤です。タイトルの通り、1970年代半ばに存在感を強めていたフィラデルフィア・サウンドを、ベスト・ヒッツという形で横断的に紹介する内容になっている作品です。Funk / Soul、特にソウルの流れを軸にした一枚として見てよさそうです。
フィラデルフィア・サウンドは、ストリングスやホーンを含む厚みのあるアレンジ、なめらかな歌唱、グルーヴの強さが特徴として知られています。モータウンやメンフィス・ソウルと並んで、70年代ソウルを語るうえで重要な潮流のひとつで、この時期のヒット曲を整理して聴く入口としても位置づけやすいタイトルです。
作品の立ち位置
Various名義の編集盤なので、特定の単独アーティストの作品というよりは、当時のヒット曲や代表的な楽曲を集めた記録としての性格が強い盤です。1975年という時期は、フィラデルフィア・サウンドがすでに広く浸透していたタイミングで、街の音楽的イメージをひとまとめにした企画として成立しやすい年でもあります。
個々の参加アーティストを一人の作品として追うというより、同時代の空気やレーベル・サウンドのまとまりを感じるタイプのコンピレーションだと考えやすいです。ソウルの中でも、ダンス寄りの曲とメロウな曲が同居しやすい構成が想像できます。
フィラデルフィア・ソウルの文脈
このジャンルは、ギャンブル&ハフの制作陣や、The O’Jays、Harold Melvin & the Blue Notes、Billy Paul、MFSBといった名前と強く結びついて語られることが多いです。70年代前半から中盤にかけて、ソウルをより洗練されたアレンジで押し広げた流れの中心にありました。
同時代の音楽と比べると、粗さを前面に出すというより、リズムの推進力と編曲の整った流れで聴かせる傾向が目立ちます。ディスコへ接近していく時期のソウルとしても重要で、後のダンス・ミュージックにもつながる感触があります。
ヒット曲や代表曲について
この手の編集盤では、フィラデルフィア・ソウルを代表する楽曲が並ぶことが多く、たとえば「Love Train」や「TSOP (The Sound of Philadelphia)」のような曲は、このサウンドを象徴する存在としてよく挙げられます。ほかにも、濃いコーラスワークや弦の響きが前に出る楽曲が中心になりやすいです。
実際に聴くと、ボーカルの力強さだけで押すのではなく、バックの演奏が曲全体を前へ運ぶ感じが印象に残りやすいタイプです。リズム・セクションの粘りと、ホーンやストリングスの整理された入り方が、この系統らしい聴きどころになっています。
日本盤として見るポイント
アーティストの国、リリース国ともに日本となっているので、日本で流通した企画盤として捉えやすいです。1970年代の日本では、海外ソウルのヒット曲をまとめた編集盤が紹介役として機能しており、この盤もその流れの中にある一枚と考えられます。
オリジナルのアルバム作品というより、当時のソウル・ヒットを俯瞰するためのコンピレーションとしての意味合いが強いです。フィラデルフィア・サウンドを入口から確認したいときに、時代感をつかみやすい構成のタイトルだといえます。
まとめ
「Philadelphia Sound Best Hits」は、1975年のフィラデルフィア・ソウルの空気を、Various名義の編集盤としてまとめた作品です。ソウルの流れを整理して聴ける盤であり、同時代のヒット曲や代表的なサウンドの輪郭をつかむうえで、分かりやすい内容になっています。
トラックリスト
- A1 – Dirty Ol’ Man
- A2 – Me & Mrs. Jones
- A3 – T.L.C. (Tender Lovin’ Care)
- A4 – Love Train
- A5 – Bad Luck
- A6 – Love Is The Message
- B1 – TSOP
- B2 – Rainy Days And Mondays
- B3 – If You Don’t Know Me By Know
- B4 – Touch Me In The Morning
- B5 – When Will I See You Again
- B6 – Back Stabbers