Sibylle Baier – Colour Green (2001)
Sibylle Baier / Colour Green
Sibylle Baierの『Colour Green』は、ドイツのフォーク・シンガーであり俳優でもあった彼女の歌声をまとめた作品で、オリジナルの録音は1970年から1973年にかけてドイツで行われたものだ。盤としては2024年リリースのものがあり、収録時間は約33分。短い時間の中に、家庭内で録られた素朴な歌とギターがそのまま残っている作品である。
作品の背景
Baierは若い頃にギターとピアノに親しみ、アルプスを越えてジェノヴァへ向かった旅をきっかけに最初の曲「Remember The Day」を書いたとされる。その後、音楽活動を前面に出す道は選ばず、家庭を持ち、アメリカへ渡って暮らした。
このアルバムに収められた曲は、彼女が1970年から1973年のあいだに自宅で録音したリール・トゥ・リールのテープ音源が元になっている。のちに息子がそれらをまとめ、家族への贈り物としてCD化したことが、作品の出発点になった。そこから外部へ広がり、Orange Twinからの2006年リリースへつながっていく。
作品の位置づけ
『Colour Green』は、Baierの音楽が後年になって広く知られるきっかけになったアルバムだ。彼女にとっては、当時の録音が後から作品としてまとまり、アーティスト像を伝える役割を持つ一枚と言える。
また、彼女はWim Wendersの『Alice in den Städten』(1974)に出演しており、音楽だけでなく映像作品との接点もある。音源としては、Jochen Richterの『Umarmungen Und Andere Sachen』(1975)や、Wim Wendersの『Palermo Shooting』(2008)でも彼女の音楽が使われている。
聴きどころ
実際に聴くと、まず耳に残るのは録音の距離感だ。スタジオ作品のように整え込まれた印象ではなく、歌と演奏が近い場所に置かれている。そのため、言葉の運びやフレーズの置き方がそのまま見えやすい。
収録曲の中では「Remember The Day」が出発点として知られている。旅の体験から生まれた曲として語られており、この作品全体の成り立ちを象徴する存在になっている。
同時代・ジャンルとのつながり
分類としてはフォークの作品だが、いわゆる大きな編成や派手なアレンジが中心ではない。家庭録音の私的な空気と、シンガー・ソングライター的な書き方が前面にある。後年の再評価という流れも含めて、同時代のフォーク作品の中でも少し特別な位置に置かれている。
補足
- アーティスト: Sibylle Baier
- タイトル: Colour Green
- オリジナル録音: 1970年〜1973年、ドイツ
- 収録時間: 約33分
- ジャンル: Folk, World, & Country
- スタイル: Folk
家庭録音から始まり、数十年後に作品として広く知られるようになったアルバム。Sibylle Baierの声と曲が、当時の空気をそのまま残したまま届く一枚である。
トラックリスト
- A1 – Tonight
- A2 – I Lost Somthing In The Hills
- A3 – The End
- A4 – Softly
- A5 – Remember The Day
- A6 – Forget About
- B7 – William
- B8 – Says Elliot
- B9 – Colour Green
- B10 – Driving
- B11 – Girl
- B12 – Wim
- B13 – Forget
- B14 – Give Me A Smile