The Colourfield – Deception (1987)

The Colourfield / Deception

「Deception」は、UKのThe Colourfieldによる1987年の作品。Terry Hallを中心にしたこの時期のバンド名は、表記としてはThe Colourfieldでまとまり、前身のThe Colour Fieldから名前を変えた後期の作品にあたる。電子的な質感を持つシンセポップ寄りのサウンドで、1980年代後半のUKポップの空気をよく映した1枚だ。

作品の位置づけ

The Colourfieldは、The SpecialsやFun Boy Threeを経たTerry Hallの次の展開として知られる。パンクや2トーンの文脈から少し離れ、よりメロディとアレンジを前に出した形で活動していたバンドで、この「Deception」もその流れの中にある。The Colourfield名義の1987年リリースという点で、バンドの後期のまとまりを示す作品として見やすい。

録音と制作

録音とミックスはパリのDavout Studio’s、バースのWool Hall Studio、ニューヨークの39Th. St. Musicで行われ、マスタリングはSterling Sound, New York。制作の舞台が複数都市にまたがっている点からも、UKだけで完結しない広がりのある制作環境がうかがえる。レーベルはChrysalis Records Ltd.で、英国盤としてリリースされている。

クレジットにはTerry Hall、Gary Dwyer、Toby Lyons、Karl Shaleの名前が並ぶ。Roland Orzabalが参加していることも記されている。Tears for Fears周辺の名前が見えることで、同時代のUKポップ/シンセポップのつながりもはっきりする。

収録曲とクレジット

収録曲のうち、A1、A3〜A5、B2〜B5はPlangent Visions Music Ltd.出版、A2はWarner Bros. Music Ltd.出版、B1はScreen Gems/EMI Music Ltd.出版となっている。オリジナル・サウンド・レコーディングはChrysalis Records Ltd.。制作クレジットにはPete Hadfield、Jeanette Powell、Kevinへの謝辞も添えられている。

同時代の文脈

1987年のUKシーンでは、シンセサウンドを取り入れたポップがかなり広く浸透していた時期でもある。その中でThe Colourfieldは、きらびやかな電子音を前面に出すというより、曲の骨格を保ちながらシンセを使うタイプのバンドとして位置づけやすい。Terry Hallの声質と、抑えめの演奏、整えられたアレンジの組み合わせが、このグループの持ち味として見えてくる。

聴きどころとして見える点

この作品は、派手な技巧よりも、歌とアレンジのまとまりで聴かせるタイプの印象が強い。Terry Hallのボーカルは、感情を大きく振り回すより、距離を保ったまま言葉を置くような歌い方で、そのニュアンスが曲の輪郭をはっきりさせる。シンセポップの枠の中でも、軽いダンス感だけに寄らないところが特徴として見えやすい。

まとめ

「Deception」は、The Colourfieldが1987年に残したUK盤であり、Terry Hallのキャリアの流れの中でも、バンド形態でのポップ志向を確認しやすい作品。複数のスタジオで録音・ミックスされ、Sterling Soundで仕上げられたことも含め、80年代後半のUKポップの制作感をそのまま持った1枚といえる。

トラックリスト

  • A1 – Badlands (4:36)
  • A2 – Running Away (3:48)
  • A3 – From Dawn To Distraction (3:34)
  • A4 – Confession (4:27)
  • A5 – Miss Texas 1967 (4:04)
  • B1 – She (3:13)
  • B2 – Heart Of America (4:51)
  • B3 – Digging It Deep (3:44)
  • B4 – Monkey In Winter (5:04)
  • B5 – Goodbye Sun Valley (4:31)

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2026.09.23
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