• TOP
  • Rock
  • Blue Mink – Melting Pot (1970)

Blue Mink – Melting Pot (1970)

Blue Mink『Melting Pot』について

Blue Minkは、1969年に始動した英国の5人組ポップ・グループで、ここで取り上げる『Melting Pot』はそのデビュー・アルバムにあたる作品だ。オリジナルのリリースは1969年12月。70年代初頭の英ポップ/ロックの空気の中に、ソウルやR&Bの要素、アンサンブル重視の作りを持ち込んだ一枚として見える。

メンバーには、Madeline Bell、Alan Parker、Barry Morgan、Ray Cooper、Herbie Flowers、Mike Moran、Roger Greenaway、Roger Cook、Ann Odell、Roger Coulamといった名前が並ぶ。演奏や作編曲の面で、当時のUKセッション・シーンの厚みを感じさせる構成だ。

作品の位置づけ

『Melting Pot』は、Blue Minkにとって最初のアルバムであり、バンドの方向性を示す初期作という位置づけになる。グループは1974年まで活動しているので、この時点ではまだキャリアの出発点。後年の代表作へつながる前段階として、まず音の輪郭をつかむための作品と言える。

また、このアルバムは国や盤によって内容やジャケットが異なることで知られる。検閲の影響により、世界各地で複数のカバーと異なる曲順・収録曲で出回った。とくに「Can You Feel It Baby」は、収録有無が版によって分かれ、入っている版でも背面表記とレーベル表記が食い違うケースがある。

サウンドの印象

実際に聴くと、曲ごとに役割の分担がはっきりしていて、歌とバンド演奏の関係が見えやすい作りだ。Madeline Bellのボーカルを軸に、演奏陣が細かく支える形で進む場面が多く、単なる軽いポップ盤というより、編成の厚みを前面に出したアルバムとして聴こえる。

タイトルの通り、いくつかの音楽要素を混ぜ合わせた感触があり、60年代末の英国ポップが70年代型のアレンジ感へ移っていく途中の空気もある。プロッグ・ロックのタグが付くのも、曲の組み立てやアレンジの運びに、当時の同時代感がにじむからだろう。

同時代とのつながり

この時期の英国では、ポップ・グループでもソウル寄りの歌唱や、セッション・ミュージシャン主導の緻密なアレンジを持つ作品が増えていた。Blue Minkもその流れの中に置くと理解しやすい。バンドというより、優秀な作家陣と演奏陣が一体になった制作体制が見える点が特徴的だ。

Roger CookとRoger Greenawayのコンビは、作家としても知られており、楽曲のキャッチーさを担う部分が大きい。そこにBellの歌声と、Herbie FlowersやAlan Parkerらの演奏が重なることで、単なるソフトなポップではない輪郭が生まれている。

代表曲・注目曲

収録曲の中でよく知られるのは「Melting Pot」だろう。アルバムの題名にもなっているこの曲は、Blue Minkを語るうえで外しにくい存在で、グループの代表曲として扱われることが多い。社会的な混交を思わせるタイトルも印象に残る。

版によっては「Can You Feel It Baby」の有無があり、オリジナル盤と後年の各国盤を比べると、アルバムの印象が少し変わる。内容の違いを追う楽しみがある一枚でもある。

まとめ

『Melting Pot』は、Blue Minkの出発点を示す1969年のデビュー作。英国ポップの流れの中で、ソウル感覚と緻密な演奏をまとめたアルバムとして位置づけられる。国ごとに収録曲や装丁が異なる点も含めて、当時の作品流通の事情まで見えてくるタイトルだ。

トラックリスト

  • A1 – Mary Jane (4:10)
  • A2 – Gidda Wadda Wobble (3:45)
  • A3 – Country Chic (4:30)
  • A4 – Over The Top (6:13)
  • B1 – Melting Pot (3:50)
  • B2 – Blue Mink (4:02)
  • B3 – Prelude (3:50)
  • B4 – But Not Forever (3:00)
  • B5 – Chopin Up Stix (4:25)

関連動画

2026.09.24
この記事をシェア