Various – Syde Tryps Seven (2001)
Various『Syde Tryps Seven』(2001)について
『Syde Tryps Seven』は、UK発のコンピレーション盤で、2001年にTenth Planetからリリースされた。盤面には「Limited edition of 1000 hand-numbered copies」とあり、1000枚限定の手書きナンバリング仕様。レーベル面では、Brain名義の音源をEMIのライセンスで収録し、デジタル・リマスターを施した再発盤としてまとめられている。
内容は1967年から1968年にかけて録音された音源中心で、未発表曲と既発曲を織り交ぜた構成。ガレージ・ロック、ジャズ・ロック、サイケデリック・ロック、プログレッシブ・ロックといった周辺をまたぐ録音が並び、60年代後半のUKアンダーグラウンドの空気をまとめて聴ける一枚になっている。
収録音源の特徴
A面は、1967年録音の未発表曲が多くを占める。A1、A2、A4、A6は1967年3月から6月にかけての録音で、いずれも当時は未発表。A3とA7は1968年録音で、A3は『The Jygsaw Record Their Own』収録曲、A7は別リリースに収録された音源。B面も同様に、未発表曲と既発曲が混在している。
とくに注目されるのは、B1の「I’m Not Your Stepping Stone」。この曲は以前にシングルA面として出ていた音源で、元々は同時代のロック/ガレージ文脈でよく知られる楽曲。ここではBrainの録音として収録され、コンピレーション全体の中で比較的耳に入りやすい存在になっている。
作品の立ち位置
この盤は、Brainというバンドの音源をまとまって聴けるアーカイブ的な性格が強い。未発表曲が多いことから、オリジナル・アルバムというよりは、当時の録音を時系列に近い形で追うための編集盤として見たほうが自然だ。
1967年録音の曲では、ガレージ・ロック寄りの直線的な演奏と、ジャズ・ロック的な展開の両方が見えてくる構成。1968年録音では、サイケデリック・ロックやプログレッシブ・ロックの要素が前面に出る流れがあり、60年代後半の英国ロックが変化していく途中経過をそのまま切り取ったような内容になっている。
曲目の注目点
- A1「Copyright Control」:1967年3月/6月録音、未発表
- A2「Q Track」:1967年5月19日録音、未発表
- A3:1968年録音、既発曲
- A7 / B6:1968年録音、既発曲
- B1「I’m Not Your Stepping Stone」:シングルA面として既発
- B7:1967年5月22日録音、未発表
こうして見ると、未発表曲の比率が高く、しかも録音時期が1967年と1968年に集中している点がこの作品の核になっている。単なるアウトテイク集というより、Brainの活動時期を補完する資料性の高い編集盤としてまとまっている。
同時代の文脈
この時期のUKでは、ガレージ・ロックの勢いと、ジャズやサイケデリックな感覚を取り込んだバンドが同居していた。Brainの音源もその流れの中にあり、後年の再評価盤で見つかるタイプの録音群として位置づけられる。収録クレジットを見る限り、録音年代の幅を抑えた編集で、当時の変化が分かりやすい構成になっている。
まとめ
『Syde Tryps Seven』は、Brainの1967〜1968年録音を中心にまとめた2001年の限定編集盤。未発表曲が多く、既発曲も含めて当時のUKアンダーグラウンド・ロックの断片を一枚で追える内容だ。デジタル・リマスター、1000枚限定ナンバリングという仕様も含め、資料性のある再発盤として位置づけられる。
トラックリスト
- A1 – Nobody Knows The Game
- A2 – Blow Up
- A3 – 0099
- A4 – Shot On Sight
- A5 – Can’t Be So Bad
- A6 – One In A Million
- A7 – Smiley’s Tram
- B1 – I’m Not Your Stepping Stone
- B2 – Try Me On For Size
- B3 – Murder
- B4 – Penelope Breedlove
- B5 – Most Likely You Go Your Way And I’ll Go Mine
- B6 – She’s A Lover
- B7 – Path Through The Forest
関連動画
- Those Fadin’ Colours – Blow Up
- Jygsaw – 0099.
- Fire – Can’t Be So Bad.
- BRAINS – ONE IN A MILLION
- Smiley’s Tram
- Those Fadin’ Colours – Try Me On For Size
- 6AX – Penelope Breedlove
- Obscure gems: THE BRAIN – Most Likely You Go Your Way And I’ll go mine (Emidisc, 1967)
- She’s A Lover
- Snappers – she’s a lover