Cactus – Cactus (1970)
Cactus『Cactus』について
アメリカのハードロック/ブルースロック・バンド、Cactusのセルフタイトル作。オリジナルは1970年に登場した作品で、ここで取り上げる盤は1974年の日本盤になる。Carmine AppiceとTim Bogertを中心にした編成で、70年代初頭のラウドで骨太なバンドサウンドをまともに押し出した一枚という位置づけだ。
バンドの立ち位置
Cactusは、ハードロックがまだロックの中で輪郭を固めていく時期に出てきたグループのひとつ。後年のような整ったプロダクションよりも、演奏の勢いとリフの強さで押していくタイプで、同時代のハードロック・バンドやブルースロック系の流れの中で語られることが多い。Carmine Appiceのドラム、Tim Bogertのベースを軸にしたリズムの圧は、このバンドの大きな特徴になっている。
作品の内容
『Cactus』では、ブルースを下敷きにしたリフ主体の曲作りと、荒々しい演奏が前に出る。ギター、ベース、ドラムの音のぶつかり方がはっきりしていて、歌よりもバンド全体の推進力で聴かせる場面が目立つ。ハードロックの直線的な力感と、ブルースロック由来の粘りが同居した作りだ。
曲単位では、長めの展開や即興的な空気も入りつつ、全体としては分かりやすいロックの形を保っている。代表曲として知られる「Evil」や「Parchman Farm」の流れでCactusを知る人も多いが、このセルフタイトル作でも、そうしたバンドの持ち味はしっかり確認できる。
同時代の文脈
1970年前後のアメリカン・ロックでは、ブルースを土台にしながら音量と推進力を強めたバンドが次々に現れていた。Cactusは、その中でもかなり演奏の圧を前面に出す側に入る存在で、イギリス勢のハードロックと並べて語られることもある。CreamやJimi Hendrix Experience以後の流れを受けながら、より硬質なバンド・サウンドへ寄せた印象のあるグループだ。
この盤について
1974年の日本盤として流通した一枚で、作品そのものは1970年作として捉えるのが自然だ。日本盤ならではの違いとしては、国内での流通時期やジャケット表記、解説の有無などが盤ごとの楽しみになるが、収録内容の軸はオリジナル作にある。Cactusの初期像をそのまま伝えるアルバムとして、バンドの出発点を確認できる内容になっている。
まとめ
Cactus『Cactus』は、70年代ハードロックの初期衝動とブルースロックの骨格がそのまま出た作品。派手に整えるより、バンドの生身の音で押し切るタイプのアルバムで、Carmine AppiceとTim Bogertの存在感が強く残る。Cactusというバンドの輪郭をつかむうえで、まず押さえやすい一枚だ。
トラックリスト
- A1 – Parchman Farm (3:05)
- A2 – My Lady From South Of Detroit (4:20)
- A3 – Bro. Bill (5:10)
- A4 – You Can’t Judge A Book By The Cover (6:44)
- B1 – Let Me Swim (3:50)
- B2 – No Need To Worry (6:00)
- B3 – Oleo (4:49)
- B4 – Feel So Good (6:00)