Eela Craig – Hats Of Glass (1978)

Eela Craig『Hats Of Glass』について

Eela Craigは、1970年代から80年代にかけて活動したオーストリアのロック・バンドで、プログレッシブ・ロックを軸にジャズやクラシックの要素、さらに宗教的な歌詞を取り込んだグループだ。『Hats Of Glass』は1978年に発表された作品で、同年のバンド活動を代表する一枚として位置づけられる。

録音は1977年8月から11月にかけて行われており、オリジナルの発表は1978年。Eela Craigのキャリアを追うと、初期のシンフォニックな志向から、より洗練されたスタジオ作品へと進んでいく流れの中にある作品として見えてくる。

バンドの背景

Eela Craigは1970年にリンツで結成された。初期作ではEmerson, Lake & Palmer、King Crimson、Gentle Giant、Colosseumといった同時代の大物と比較されたことがあり、演奏力と構成の込み入ったロックを持ち味にしていたバンドだ。1972年にはチューリヒ室内管弦楽団との共演も行っており、当時のロック・バンドとしては珍しいオペラハウスでの演奏にもつながっていく。

1975年にはVertigo Recordsと契約し、以後はシングルやアルバムを発表するようになる。1978年は特に重要な年で、宗教的コンセプトを持つ『Missa Universalis』や、クリス・デ・バーグの「A Spaceman Came Travelling」のカバーも同年に出ている。そうした流れの中で『Hats Of Glass』も並ぶ。

作品の内容と聴きどころ

『Hats Of Glass』は、Electronic、Rockを基盤に、Art Rock、Synth-pop、Prog Rockの要素が並ぶ作品として整理されている。Eela Craigらしい鍵盤中心のアレンジと、ロック・バンドとしての推進力が同居するタイプのアルバムだ。

この時期のEela Craigは、シンフォニック・ロックの文脈に置かれやすい一方で、1970年代後半らしいシンセサイザーの比重も見える。プログレッシブ・ロックの長い構成感だけでなく、電子楽器を前に出したサウンドが作品の輪郭を作っている。

また、同時代のプログレ勢と比べると、イギリス勢の大仰さよりも、ドイツ語圏のバンドらしい緻密さや教会音楽的な感触がにじむ。Brucknerや宗教音楽との接点を持つ『Missa Universalis』の存在を踏まえると、『Hats Of Glass』も単なるロック盤ではなく、彼らの幅広い音楽的背景の延長線上にある作品として聴ける。

代表曲・話題曲について

1978年のEela Craigを語るうえでは、同年の「A Spaceman Came Travelling」がよく知られている。こちらはChris de Burgh曲のカバーで、バンドの透明感のあるアンサンブルと相性のよい楽曲として扱われてきた。『Hats Of Glass』自体の中でも、こうしたメロディ重視の感覚や、電子的な響きの扱いにバンドの特徴が出ている。

この時期の位置づけ

『Hats Of Glass』は、Eela Craigが1970年代後半に到達したスタジオ志向のまとまりを示す作品といえる。初期のプログレ的な実験性を引き継ぎつつ、シンセサイザーやロックの推進力を前面に出した時期の記録でもある。

その後、バンドは1980年代前半に活動が停滞し、1987年にはポップ寄りのシングル群を発表、最後のアルバム『Hit or Miss』へ進む。そうした後年の動きを見ると、『Hats Of Glass』は、バンドの中でも70年代的なプログレ路線と電子音響の接点を示す一枚として確認しやすい。

まとめ

Eela Craig『Hats Of Glass』は、オーストリアのプログレ・バンドが1978年に残した電子音とロックの結節点のような作品だ。ジャズやクラシックの影響、宗教音楽への関心、そして同時代のプログレ・バンドと比較される演奏志向が、バンドの背景としてそのまま反映されている。

1977年秋の録音という事実も含めて、70年代後半の空気をそのまま封じ込めた一作として見てよさそうだ。

トラックリスト

  • A1 – A Spaceman Came Travelling (4:49)
  • A2 – Hats Of Glass (10:25)
  • A3 – Chances Are (5:26)
  • B1 – Heaven Sales (2:53)
  • B2 – Holstenwall Fair (8:10)
  • B3 – Caught On The Air (3:52)
  • B4 – (Remove Another Hat Of Glass And You Could Easily Find Assorted Kinds Of) Cheese (3:30)

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2026.07.18
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