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Hatfield And The North – The Rotters’ Club = ロッタース・クラブ (1975)

Hatfield And The North『The Rotters’ Club』について

Hatfield And The Northは、カンタベリー・シーンを代表するイングランドのプログレッシブ・ロック・バンドで、ジャズの要素や実験性を取り込んだ独特の演奏で知られる。『The Rotters’ Club』はそのセカンド・アルバムで、オリジナルは1975年3月7日にUKでリリースされた作品。ここで取り上げるのは日本盤で、1978年発売、邦題は『ロッタース・クラブ』。オビとライナーノーツ付きのシングル・ジャケット仕様で、国内向けの体裁になっている。

バンドの位置づけ

Hatfield And The Northは1972年に結成され、活動期は主に1972年から1975年まで。デイヴ・スチュワート、リチャード・シンクレア、ピップ・パイル、フィル・ミラーらを中心に、鍵盤とギター、ベース、ドラムが密接に絡むアンサンブルを築いた。カンタベリー・シーンの中でも、CaravanやSoft Machine周辺と並べて語られることが多いバンドで、ジャズ・ロック寄りの緻密な演奏と、英国ロックらしいユーモア感覚の同居が持ち味として挙げられる。

この2作目は、バンドの短い活動期間の中でも重要な位置にあるアルバムで、スタジオでの完成度を押し出した作品として扱われている。1975年1月から2月にかけて、サットンのSaturn Studioで録音・ミックスされている。

サウンドの特徴

『The Rotters’ Club』は、ジャズ、ロック、アート・ロック、ジャズ・ロック、プログレッシブ・ロックの要素が、演奏の中で細かく行き来する内容。派手に前へ出るタイプのロックではなく、楽器同士の受け渡しや、拍のずらし方、メロディの置き方に耳が向く作品だといえる。カンタベリー系らしい、知的な組み立てと軽妙な空気感が同居する1枚。

実際に聴くと、各パートが「主役」を奪い合うのではなく、短いフレーズをつなげながら曲の形を作っていく感触が強い。キーボードとベース、ドラムの会話が細かく、フレーズの切り替えも多い。音の密度はあるが、演奏の輪郭が比較的見えやすいのもこのバンドらしいところ。

代表曲として触れられる曲

このアルバムでは、〈Share It〉や〈The Yes No Interlude〉、組曲的な流れを持つ〈Mumps〉などが知られる。中でも〈Mumps〉は長めの構成で、Hatfield And The Northのアンサンブルの持ち味が出やすい曲として挙げられることが多い。短い断片をつなぐような作りと、演奏の切り替えの細かさが印象に残る。

日本盤について

今回の日本盤は1978年のリリースで、オリジナル盤から少し時間を置いてからの登場。盤面のクレジットには「℗ Virgin Records Ltd 1975」「© Virgin Music (Publishers) Ltd 1975」「Ⓚ Victor Musical Industries, Inc. ℗ ’78」とあり、作品自体は1975年作として扱われている。ライナーノーツの日付は77.12.29。ジャケットはシングル仕様で、当時の国内盤らしい作りになっている。

同時代の文脈

1970年代半ばの英国プログレは、大作志向やシンフォニックな流れだけでなく、カンタベリー・シーンのようにジャズ寄りの感覚を持つグループも並走していた。Hatfield And The Northは、その中でも演奏の精密さと遊び心が同時に見えるバンドとして位置づけられる。Soft Machine、Caravan、National Healthといった名前と並べて語られることが多いのも納得しやすい。

まとめ

『The Rotters’ Club』は、Hatfield And The Northの2作目として、短命ながら濃い活動期の到達点のひとつになっているアルバム。1975年のオリジナル録音をベースに、日本では1978年に発売された盤で、国内のライナーやオビ付きで流通した1枚。カンタベリー・シーン、ジャズ・ロック、プログレッシブ・ロックの交点にある作品として、バンドの輪郭をつかむうえで重要なアルバムだといえる。

トラックリスト

  • A1 – Share It = シェアー・イット (3:02)
  • A2 – Lounging There Trying = ラウンジング・ゼア・トライング (3:10)
  • A3 – (Big) John Wayne Socks Psychology On The Jaw = ビッグ・ジョン・ウェイン・ソックス・サイコロジー・オン・ザ・ジョウ (0:46)
  • A4 – Chaos At The Greasy Spoon = カオス・アット・ザ・グリージィ・スプーン (0:30)
  • A5 – The Yes No Interlude = ザ・イエス・ノー・インタールード (7:02)
  • A6 – Fitter Stoke Has A Bath = フィッター・ストーク・ハズ・ア・バス (7:38)
  • A7 – Didn’t Matter Anyway = ディドゥント・マター・エニウェイ (3:03)
  • B1 – Underdub = アンダーダブ (3:55)
  • Mumps = マンプス

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2026.09.03
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