Far Out – 日本人 (1973)
Far Out「日本人」について
Far Outは、1970年代前半の日本で活動したサイケデリック/プログレッシブ系のバンドです。「日本人」は1973年に登場した作品で、重いギター、展開の多い曲構成、当時の国産ロックらしい土台を持つ1枚として知られています。メンバーはFumio Miyashita、Keiju Ishikawa、Manami Arai、Eiichi Sayuの4人。
作品の位置づけ
この作品は、Far Outの初期を代表するタイトルとして見られることが多いです。日本のハードロックやプログレッシブ・ロックが独自の形を作っていった時期の記録であり、海外向けの再紹介盤が出るほど、後年まで注目されてきた作品でもあります。
当時の日本のロックでは、海外のハードロックやプログレッシブ・ロックの影響を受けつつ、長い曲構成や演奏中心の組み立てを前面に出す作品が増えていました。「日本人」もその流れの中にある1枚で、70年代初頭の日本産ロックの空気をそのまま切り取ったような存在です。
音の印象
実際の音像は、ギターの押し出しが強く、リズム隊も前に出るタイプです。曲によっては演奏の切り替わりが多く、ひとつのリフを長く引っぱるというより、場面を変えながら進む作りが目立ちます。サイケデリックな色合いと、ハードロック寄りの力感が同居している点が特徴です。
派手なヒット曲で引っ張るというより、アルバム全体の流れで聴かせる性格が強い作品です。代表曲を1曲だけ挙げて語るタイプの盤というより、まとまった演奏と空気感で印象を残す内容と言えるでしょう。
同時代の文脈
同じ時代の日本のロックでは、外来のロックを吸収しながら独自化を進める動きが各所で見られました。Far Outもその流れの中で、英米のハードロックやプログレッシブ・ロックに通じる要素を持ちながら、日本のバンドらしい緊張感のある演奏にまとめています。海外の同時代バンドと並べると、より硬質で、演奏の切迫感が前に出るタイプとして受け取られやすいでしょう。
再発盤について
ここで扱っている盤はヨーロッパで出た再発盤で、オリジナルは1973年の日本盤です。再発盤は、入手しやすさという点でオリジナル盤とは性格が異なりますが、作品そのものは1973年当時の内容を伝えるものです。日本のレア盤として知られるタイトルが、のちに海外で再び流通した例のひとつでもあります。
まとめ
「日本人」は、Far Outの初期の姿を知るうえで重要な1枚です。70年代前半の日本のハードロック/プログレッシブ・ロックの文脈の中で、演奏主体の構成と強いギターを軸にした作品として位置づけられます。派手な話題性よりも、当時のバンドの手触りをそのまま残した記録として見ていくと、輪郭がつかみやすい盤です。
トラックリスト
- A – Too Many People (17:55)
- B – 日本人 (19:52)