Golden Earring – Eight Miles High (1969)
Golden Earring『Eight Miles High』について
オランダのロック・バンド、Golden Earringが1969年に発表したアルバムが『Eight Miles High』。バンドは1960年代から活動を続け、名称を変えながら長く第一線にいたグループで、この時期はサイケデリック・ロックの要素を前面に出していた時期にあたる。タイトルはバーズの代表曲「Eight Miles High」と同じで、当時のロック・シーンに通じるカバー感覚と、バンド自身の演奏力が見えやすい作品として扱われている。
作品の位置づけ
Golden Earringは、後年の「Radar Love」や「Twilight Zone」で広く知られるようになるが、1960年代末の時点ではまだサイケデリック志向の強いロック・バンドだった。『Eight Miles High』は、その流れの中にある一枚。UKやUSの同時代ロックと並べて聴くと、The Byrds、Cream、Jimi Hendrix Experience、早い時期のPink Floydあたりと共通する時代感がある一方で、バンド独自の骨太さもある。
収録曲と聴きどころ
アルバム・タイトル曲の「Eight Miles High」は、やはり中心になる1曲。もともとThe Byrdsの楽曲として知られる曲だが、Golden Earring版では1969年らしい演奏の厚みと、ギターの推進力が前に出る。原曲を知っていると、同じ曲でもかなり手触りが違って聴こえるタイプのカバーだ。
この時代のGolden Earringは、曲の展開を引っ張るギター、リズム隊の粘り、ボーカルの押し出しで聴かせる場面が多い。メンバーにはGeorge Kooymans、Barry Hay、Rinus Gerritsen、Cesar Zuiderwijkといった、後年まで中核を担う面々が並んでいる。Robert Jan StipsやEelco Gelling、Sieb Warnerらが関わっている点も、この時期のバンド編成の流動性を示している。
1969年盤と2022年盤の違い
今回の2022年盤は、1969年オリジナル盤の再発。リリースノートでは、Red Bullet Productions B.V.のライセンスによるEU盤で、オリジナルのオリンピック・サウンド・スタジオのマスター・テープから初めてリマスターされたとされている。ラベルとスパインには「EIGHT MILES HIGH (remastered)」の表記があり、180グラムのオーディオファイル仕様、赤色の限定2,000枚プレスという案内も付いている。
再発盤として見ると、1969年当時の作品を現在のプレスで手に取りやすくした一枚、という性格がはっきりしている。盤のリリース年は2022年だが、作品そのものは1969年のアルバムとして聴くのが自然だ。
同時代の文脈
1969年は、サイケデリック・ロックがひとつのピークを越えて、よりハードなロックやプログレッシブな方向へ分岐していく時期でもある。Golden Earringのこのアルバムも、その境目に置くと見えやすい。米英の有名バンドに比べると語られる機会は多くないが、欧州のロック史の中では、オランダ勢の存在感を示す一枚として押さえておきたい作品。
まとめ
『Eight Miles High』は、Golden Earringが1969年に残したサイケデリック・ロック期の記録。タイトル曲のカバーを軸に、当時のバンドの演奏感や時代の空気がまとまっている。2022年盤はその音源をリマスターで聴ける再発で、オリジナル時代のロックの手触りを今のフォーマットでたどれる内容になっている。
トラックリスト
- A1 – Landing (4:30)
- A2 – Song Of A Devil’s Servant (6:02)
- A3 – One Huge Road (3:05)
- A4 – Everyday’s Torture (5:19)
- B1 – Eight Miles High (18:53)