Mark Fry – I Lived In Trees (2011)
Mark Fry『I Lived In Trees』について
Mark Fryの『I Lived In Trees』は、2011年にリリースされた作品。UK出身のシンガー・ソングライター/ペインターとして知られるMark Fryが、自身の音楽活動の流れの中で発表したアルバムで、ジャンルとしてはRock、Folk、World、& Countryにまたがり、演奏スタイルはAcoustic寄りの内容になっている。
彼の音楽は、アコースティックな響きとフォークの手触りを軸にしたものとして語られることが多い。この作品でも、派手な展開よりは、弦の鳴りや声の置き方、曲の運びで聴かせるタイプの印象が強い。リズムは過度に前へ出ず、楽曲の輪郭を保つ役回りに近い。
アーティストとしての位置づけ
Mark Fryは1952年に英国エッピングで生まれたアーティストで、1971年にはイタリアでデビュー作を録音している。その後、長い時間を経て再評価が進み、オブスキュアなフォーク作品として扱われるようになった経歴を持つ。そうした背景を踏まえると、『I Lived In Trees』は、彼の後年の活動を示す一枚として見えてくる。
絵画活動を続けながら、比較的私的な形で音楽を作ってきた人物でもあり、この作品にも、生活の近い場所から出てきたような曲作りの感触がある。大きく外へ張り出すというより、内側に視線を向けた構成という印象。
サウンドの印象
音の中心はアコースティック・ギターと歌。その上に必要なだけの楽器が重なるような作りで、音数は多くない。空間の取り方も含めて、派手さよりも素朴さが前に出るタイプ。フォーク・ロックやサイケデリック・フォークの流れを思わせる部分もあるが、全体としては落ち着いた佇まい。
- アコースティック主体の編成
- 歌と弦の響きが中心
- 過度に装飾しない録音感
- フォークの要素を軸にした構成
同時代・文脈
Mark Fryの音楽は、UKのフォークや、70年代のサイケデリック・フォークの流れと並べて語られることがある。比較対象として名前が挙がることがあるのは、Nick Drakeのような、静かなアコースティック作品を残したシンガー・ソングライターたちの系譜。ただし、『I Lived In Trees』自体は、その文脈の中でも、より個人的で控えめな記述に寄った作品として受け取られそうだ。
作品のエピソード
Mark Fryは、1971年のデビュー作が長く再評価され、後年になって注目を集めた経歴を持つ。その流れの中で活動を続け、2006年にはアルバム『Shooting the Moon』を発表している。『I Lived In Trees』は、その後の2011年に登場した作品で、彼の作家性をあらためて示すタイトルのひとつという位置づけになっている。
派手なヒット曲を前面に出すタイプではなく、アルバム全体で聴かせる構成が中心。曲ごとの細部や、アコースティックな質感を追うのに向いた一枚と言えそうだ。
トラックリスト
- A1 I Lived In Trees (3:33)
- A2 Behold The Nereids Under The Green Sea (5:00)
- A3 Chalky Down (4:26)
- A4 We All Fall Down (5:34)
- B1 All Day Long (8:53)
- B2 La Lune (0:59)
- B3 Ruins Of Stone (2:18)
- B4 Even The Sky Goes Blue (3:15)
- B5 Taking Wing (4:46)