Little River Band – Time Exposure (1981)
Little River Band『Time Exposure』について
『Time Exposure』は、オーストラリア出身のロック・バンド、Little River Bandが1981年に発表したアルバム。アメリカ市場で継続的な成功を収めたオーストラリアン・ロック・グループとして知られる彼らにとって、80年代初頭の活動を代表する1枚のひとつにあたる作品だ。ジャンル表記ではロック、スタイルではポップ・ロックに置かれることが多い。
Little River Bandは1975年にメルボルンで結成され、グレン・シャーロック、グラハム・ゴーブル、ビーブ・バートルズ、デレク・ペリッチらを中心に始動した。バンド名は、ジーロングへ向かう途中にあるビクトリア州の地名表示から取られている。アメリカではトップ40ヒットを複数送り込み、世界的にも長く活動を続けたグループとして位置づけられる。
作品の位置づけ
この時期のLittle River Bandは、メンバー変動を重ねながらも、メロディを前面に出した演奏と、きっちり整ったコーラスワークを軸にしたサウンドを保っている。『Time Exposure』は、その流れの中で出た1981年作で、グレン・シャーロックが在籍末期に関わった時期のアルバムでもある。すでにバンドはアメリカでの認知を確立しており、アルバム単位でもラジオ向けの楽曲をきちんと並べるタイプの作品として受け取られている。
制作面ではジョージ・マーティンのクレジットが知られており、ただしこの盤ではバック・カバーにもレーベル面にも「Produced by George Martin of Air Studios」の表記が見当たらないヴァリアントがある。盤の情報としては、Capitol Records Pressing Plant, Winchesterプレスの個体で、ランアウトには「• ━◁」のエッチングが確認できる。
聴きどころ
アルバム全体は、派手に押し切るタイプではなく、テンポを整えた曲運びと、複数ボーカルの重なりで聴かせる作り。Little River Bandらしいのは、コード進行が素直に流れる中で、サビの輪郭をきっちり立てるところにある。アメリカのFMロックやAORの文脈で語られることが多いのも、その聴感に沿っている。
実際に聴くと、演奏の手触りは軽すぎず重すぎず、ギター、ベース、ドラム、コーラスがそれぞれきちんと分かれている印象が強い。ロック・バンドとしての推進力を保ちながら、メロディを前へ出すバランス感覚が、この時期のLittle River Bandの持ち味として表れている。
代表曲について
『Time Exposure』からは、ヒット曲として「The Night Owls」がよく知られている。アメリカのシングル・チャートでも存在感を示した曲で、バンドの80年代初頭の代表曲のひとつに数えられる。コーラスの厚みと、すぐに輪郭がつかめるメロディが前面に出た1曲で、このアルバムの性格をよく示している。
同時代の耳で聴くと、Little River BandはEaglesやDoobie Brothersのようなアメリカ西海岸系のバンドと並べて語られることがある。ただし、彼らはオーストラリア出身で、ハーモニーの組み方や曲の運びに少し違う硬さと整い方がある。その点が、このバンドならではの特徴になっている。
メンバー構成
この時期の主要メンバーには、グレン・シャーロック、グラハム・ゴーブル、ビーブ・バートルズ、デレク・ペリッチ、そしてベースのウェイン・ネルソン、リードギターのスティーヴン・ハウズデンらがいる。Little River Bandは長い活動の中で多くのメンバーが入れ替わっているが、『Time Exposure』はその変化の途中にある時期の記録としても見やすいアルバムだ。
まとめ
『Time Exposure』は、Little River Bandがアメリカでの成功を維持していた時期の1981年作で、メロディ重視のロックとコーラスワークがきれいにまとまった作品。代表曲「The Night Owls」を含み、バンドの80年代初頭を知るうえで外せない1枚として位置づけられる。
トラックリスト
- A1 – The Night Owls (5:19)
- A2 – Man On Your Mind (4:16)
- A3 – Take It Easy On Me (3:45)
- A4 – Ballerina (4:04)
- A5 – Love Will Survive (4:38)
- B1 – Full Circle (1:54)
- B2 – Just Say That You Love Me (4:02)
- B3 – Suicide Boulevard (3:23)
- B4 – Orbit Zero (4:28)
- B5 – Don’t Let The Needle Win (3:57)
- B6 – Guiding Light (3:34)