Keats – Keats (1984)

Keats『Keats』について

Keatsは、The Alan Parsons Projectの周辺から生まれた短命なプロジェクトとして知られるユニットで、1984年に同名アルバム『Keats』を残している。中心には、The Alan Parsons Projectでおなじみのイアン・ベアーソン(g)、デヴィッド・ペイトン(b)、スチュアート・エリオット(ds)に、The Zombiesのコリン・ブランストーン(vo)、さらにCamelのピーター・バーデンス(key)が加わる布陣。英国のスタジオ・ロックらしい作り手がそろった作品で、当時のUKロック/ポップ・ロックの流れの中に置きやすい1枚だ。

制作背景と位置づけ

このアルバムは1983年12月から1984年3月にかけてロンドンのAbbey Road Studiosで録音されている。参加メンバーを見ると、The Alan Parsons Projectの延長線上にある企画であることがはっきりしていて、実際に音の設計も、演奏をきっちり積み上げるタイプの作品としてまとまっている。コリン・ブランストーンの声が前に出ることで、プログレッシブ・ロックの要素がありながらも、歌ものとしての輪郭も持っているところがこの盤の特徴になっている。

アーティストとしては、The Alan Parsons Projectの「外側」にあるが、関係者の顔ぶれを見れば、あの周辺の音作りをそのまま別名義で切り出したような立ち位置に近い。ピーター・バーデンスの参加もあって、Camel方面のリスナーにも接点がある構成だ。

音の印象

実際に聴くと、演奏の密度は高いが、過度に複雑へ振り切る感じではない。ギター、キーボード、コーラス、リズムが整った配置で進み、コリン・ブランストーンの柔らかい歌声がその上に乗るため、ロックの力感とポップな聴きやすさが同居している。派手な音色で押すというより、各パートの役割がはっきりしているタイプの作りだ。

とくに1980年代前半のUKらしい、整ったプロダクションの感触が強い。生楽器中心でありながら、音像はすっきりしていて、プログレ由来の構成感とポップ・ロックの分かりやすさが両方見える。The Alan Parsons Projectの整然とした質感や、ブランストーンのヴォーカルが持つ叙情性を思わせる場面もある。

同時代の文脈

1984年という時期は、UKロックの中でも、プログレの名残を持ちながらポップな方向へ寄せた作品がまだ一定数あった頃だ。この『Keats』も、その流れの中で理解しやすい。CamelやThe Alan Parsons Projectの周辺を思わせる人選でありつつ、バンド名義のアルバムとしてひとつにまとめた点が面白い。

Colin Blunstoneの歌声はThe Zombies時代からの流れを知ると、より印象がつかみやすい。派手にしゃべるような歌い方ではなく、音の隙間を埋めるように入ってくるので、編成の密度が高い曲でも耳に残りやすい。

収録形態と盤の情報

このUK盤は、Abbey Road Studiosでの録音、EMIからのオリジナル・サウンド・レコーディングとしてクレジットされている。インナー・スリーヴには歌詞とクレジットが収められていて、当時の英国盤らしい作りになっている。

  • 録音: 1983年12月〜1984年3月、Abbey Road Studios, London
  • 発売国: UK
  • レーベル表記: EMI Records Limited
  • クレジット: 歌詞・クレジット付きインナー・スリーヴ

まとめ

『Keats』は、The Alan Parsons Project周辺の演奏陣と、Colin Blunstoneのヴォーカルを軸にした、1984年のUKロック作品。プログレッシブ・ロックの構成感とポップ・ロックの聴きやすさが同居する、整理された作りのアルバムだ。参加メンバーの顔ぶれを知ったうえで聴くと、その位置づけがつかみやすい1枚になっている。

トラックリスト

  • A1 – Heaven Knows (3:57)
  • A2 – Tragedy (4:58)
  • A3 – Fight To Win (4:09)
  • A4 – Walking On Ice (3:30)
  • A5 – How Can You Walk Away (3:40)
  • B1 – Avalanche (4:05)
  • B2 – Turn Your Heart Around (3:42)
  • B3 – Hollywood Heart (3:44)
  • B4 – Ask No Questions (3:22)
  • B5 – Night Full Of Voices (3:56)

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2026.09.19
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