Skin Alley – Two Quid Deal ? (1972)
Skin Alley『Two Quid Deal ?』について
Skin Alleyは、1968年にロンドンで結成されたイギリスのプログレッシブ・ロック・バンドだ。ロック、ジャズ、フォーク、ブルースの要素を混ぜた演奏で知られ、代表曲としては「Living in Sin」がよく挙げられる。
『Two Quid Deal ?』は、そのSkin Alleyの3作目にあたるアルバムで、オリジナルは1972年作。ここで紹介するUS盤は1973年リリースで、のちにアメリカ市場向けに出た版になる。英国発のプログレ・バンドが、USのソウル系名門Staxの目に留まり、ライセンスされて出たという流れも、この作品の位置づけを示している。
作品の位置づけ
バンドはCBSから離れたあと、1971年から72年にかけて新しい契約を得てこの作品を発表した。前2作よりも活動の継続と再出発の意味合いが強い時期の録音で、Skin Alleyのキャリアでは中盤の節目にあたるアルバムだ。
メンバーは、Nick Graham、Thomas Crimble、Tony Knight、Giles Pope、Krzysztof Juskiewicz、Alvin Pope、Bob Jamesといった面々。結成時から複数回の編成変化を経てきたバンドで、この時期は演奏の組み立てにもその蓄積が出ている。
サウンドの印象
『Two Quid Deal ?』は、プログレッシブ・ロックを土台にしながら、ジャズ寄りの展開やブルースの感触、ファンク寄りのリズム感が見える1枚だ。初期の英国プログレの中でも、YesやGenesisのような大仰な構築美より、もっと地に足のついたバンド感が前に出るタイプとして語られることが多い。
Skin Alleyの持ち味は、歌と器楽の切り替え、木管やキーボードを含む音色の扱い、そしてリズムの動きにある。『Two Quid Deal ?』でもその方向性は保たれていて、曲ごとの表情の変化がはっきりしている。
代表曲・バンド史との関係
Skin Alleyの代表曲としては「Living in Sin」が知られているが、『Two Quid Deal ?』はその1曲だけで押し切るタイプのアルバムではない。むしろ、バンド全体の演奏と曲の並びで聴かせる作品だ。
このアルバムのあと、Skin Alleyはアメリカでのライセンス展開やライブ活動につながり、さらに1973年にはよりファンキーで商業性を意識した『Skintight』へ進んでいく。そう考えると、『Two Quid Deal ?』は、初期の英国プログレ色と後期のグルーヴ指向のあいだにある作品として見えてくる。
US盤について
ここでのUS盤は1973年リリース。オリジナルの1972年盤から少し時間を置いてアメリカで出た版で、Skin AlleyがStaxのカタログに入ったことを示す資料的な意味も持つ。英国のプログレ・バンドがStaxから出るという組み合わせ自体、当時のクロスオーバー感をよく表している。
収録内容そのものよりも、バンドの来歴や当時のレーベル事情まで含めて見ると、このレコードの輪郭がはっきりする。1972年時点のSkin Alleyの立ち位置を、そのまま切り取った1枚だ。
補足
- アーティスト: Skin Alley
- タイトル: Two Quid Deal ?
- オリジナル・リリース年: 1972年
- US盤リリース年: 1973年
- ジャンル: Rock
- スタイル: Prog Rock
クレジットには「Produced/Engineered for Boggle Productions.」および「A Transatlantic Records Ltd. Production」とある。Skin Alleyの1970年代前半の動きと、英国プログレの流れをたどるうえで外せない作品のひとつだ。
トラックリスト
- A1 – Bad Words And Evil People (5:15)
- A2 – So Many People (5:58)
- A3 – A Final Coat (5:07)
- A4 – Graveyard Shuffle (4:43)
- B1 – Nick’s Seven (5:02)
- B2 – Skin Valley Serenade (3:40)
- B3 – So Glad (5:23)
- B4 – The Demagogue (5:54)
- B5 – Sun Music (4:58)