Mantis – Turn Onto Music (1973)
Mantis『Turn Onto Music』について
『Turn Onto Music』は、フィジー出身のロック・バンド、Mantisによる1枚。オリジナルは1973年の作品で、のちに1998年に盤として再発されている。バンドは1970年代にThe Dragon Swingers名義で活動し、スバのクラブ「The Golden Dragon」のハウス・バンドを務めたあと、Mantisへ改名してニュージーランドでこのアルバムを録音した、という経歴を持つ。
メンバーはReuben Davui、Ronnie Sammuel、Joe Heritage、Waisea Vatuwaga、Paul Steven。編成を見ると、当時のライブ・バンドらしいまとまりのある形が想像できる。作品としては、Rockを軸にFunk / Soulの要素を含み、スタイル面ではFunkとProg Rockが並ぶ。70年代前半の空気をそのまま閉じ込めたような、バンドの個性が出やすい時期の録音として捉えやすい。
バンドの位置づけ
Mantisは、The Dragon Swingersとしてクラブのハウス・バンドを務めた流れから、録音作品ではMantis名義に移っている。つまりこのアルバムは、バンドが地元の演奏現場で鍛えた感覚を、ニュージーランドで作品としてまとめたもの、と見るのが自然だろう。アーティストの歩みの中では、バンド名を変えて初めて形にした1枚という位置づけになる。
聴きどころの印象
実際の音像は、ファンク寄りのリズム感と、プログレッシブ・ロック由来の展開の長さが同居するタイプとして受け取りやすい。ロック・バンドの骨格に、ソウル・ミュージックのグルーヴが差し込まれる構図で、演奏主体のアルバムらしいまとまりがある。派手なヒット曲で引っ張るというより、バンド全体の演奏と曲の流れで聴かせる内容と考えやすい。
1998年盤は、1973年のオリジナル作品を後年に盤化したものとして扱うのがよさそうだ。70年代当時の制作背景をそのまま伝える資料的な意味も持つリリースで、当時の南太平洋地域のロック・バンドがどんな形で作品を残したかを知るうえでも興味深い。
同時代の文脈
1973年という時期を踏まえると、ロックにファンクやソウルの要素を混ぜる流れは珍しくない。そのなかでMantisは、フィジーのクラブ・バンドとして育った経歴を背景に、演奏の現場感をそのまま作品へ持ち込んでいる点が見えやすい。ニュージーランドでの録音という点も含め、地域をまたいで作られた70年代バンド作品として見ると輪郭がつかみやすい。
まとめ
『Turn Onto Music』は、The Dragon SwingersからMantisへと名を変えたバンドが残した、1973年のロック/ファンク系アルバム。クラブ・バンドとしての経歴、ニュージーランドでの録音、そして1998年の再発という流れまで含めると、作品そのものだけでなくバンドの歩みも合わせて追える1枚になっている。
トラックリスト
- A1 – Day & Night
- A2 – In The Midnight Hour
- A3 – You Don’t Love Me
- A4 – Mississippi Queen
- A5 – Shake That Fat
- B1 – Turn Onto Music
- Island Suite