Iconoclasta – Iconoclasta (1983)
Iconoclasta『Iconoclasta』について
メキシコのプログレッシブ・ロック・バンド、Iconoclastaが1983年に発表した自己タイトル作。録音とミックスはメキシコで行われ、作品全体としてはフュージョンの要素を含みながら、当時のメキシコ産プログレらしい構成感のある演奏が前面に出る一枚だ。
バンドの輪郭
Iconoclastaはメキシコのプログレッシブ・ロック・バンドとして知られる。メンバーにはRicardo Ortegón、Victor Baldovinos、Ricardo Moreno、Rosa Moreno、Nohemi D’Rubin、Alfredo Raigosa、Héctor Hernándezが並ぶ。編成から見ても、複数のプレイヤーが役割を分担しながら曲を組み立てるタイプの作品と考えやすい。
1983年という時期は、プログレッシブ・ロックが主流の座からは外れていた時代だが、ラテンアメリカでは独自の解釈でこのスタイルを続けるバンドが各地にいた。Iconoclastaもその流れの中に置ける存在で、英米の大作志向のプログレだけでなく、より硬質なロック感や、演奏の密度を重視する方向性が見えやすい。
作品の位置づけ
本作『Iconoclasta』は、バンド名をそのまま冠した最初期の代表作として見られる一枚。1983年のオリジナル発表で、バンドの基本的なサウンドや編成感を示す役割を持つ作品といえる。自己紹介的な意味合いが強く、以後の活動を追ううえでも起点になりやすいアルバムだ。
音の印象
演奏は、ロックの骨格を保ちながら、曲の中で展開を作っていくタイプ。ギター、ベース、ドラムを軸にしつつ、鍵盤や複数メンバーの参加で厚みを作る構成が想像しやすい。フュージョンの要素が入ることで、単純なリフの反復だけではなく、リズムの動きやフレーズの切り替えに重点が置かれているはずの内容だ。
プログレッシブ・ロックの文脈で見ると、YESやKing Crimsonのような英米の定番と直接並べるというより、南米圏のバンドに見られる、ロックと技巧的な演奏の接点を探るような作りに近い印象を持ちやすい。とくに1980年代初頭の作品らしく、70年代型の長大な組曲一辺倒というより、より締まった構成へ向かっている可能性が高い。
ジャケットと盤の情報
この盤は1983年メキシコ盤で、バック・カバーとB面ラベルの両方に特定レーベルのロゴが入っている仕様。録音とミックスもメキシコで行われており、作品の制作背景が国内完結型であることがわかる。ローカルな環境で作られたプログレ作品として、その土地の空気を感じさせる仕上がりになっている可能性がある。
同時代の文脈
1983年のプログレは、既成の大きな潮流というより、地域ごとの継続と変形が目立つ時期。イギリスやアメリカのメジャーなロック市場では別の音が主流になっていた一方で、メキシコでは独自のバンドが演奏性の高いロックを追求していた。Iconoclastaもその一角として、ラテンアメリカのプログレ史の中で押さえておきたい存在だ。
まとめ
『Iconoclasta』は、メキシコのプログレッシブ・ロック・バンドIconoclastaが1983年に残した自己タイトル作。フュージョンの感触を交えつつ、演奏主体のロック作品としてまとまっている。バンドの出発点を示す一枚として、当時のメキシコ産プログレの輪郭を知るうえでも重要な記録だ。
トラックリスト
- A1 – Cuentos De Arquicia
- A2 – Dorian
- A3 – Manantial
- A4 – Memorias De Un Hechicero
- B1 – Estudio VI
- B2 – Origen Cúspide Y Muerte
- B3 – Fuera De Casa