Nosound – A Sense Of Loss (2009)
Nosound『A Sense Of Loss』
Nosoundは、Giancarlo Erraを中心に2002年に始動した、英伊系のオルタナティブ・ロック・バンドである。ロックを軸にしながら、ポストロック、エレクトロニック、アンビエントまでを行き来する作風で知られる。Radiohead、Sigur Rós、Pink Floyd、Arvo Pärt、Brian Eno、Bark Psychosisといった名前が並ぶあたりにも、音の方向性が見えやすい。
『A Sense Of Loss』は2009年の作品。Nosoundのディスコグラフィの中でも、バンドの持つ静かな推進力と、音の重なりを丁寧に聴かせる側面がまとまった一枚として位置づけられる。Giancarlo Erraによる作曲、演奏、制作が軸にあった初期の流れを引き継ぎつつ、バンド編成ならではの厚みも感じられる内容である。
サウンドの印象
ギター、キーボード、ベース、ドラムが前面に出すぎず、曲の流れの中で少しずつ輪郭を作っていくタイプの音作りである。リズムは派手に押し出すというより、一定の拍を保ちながら展開を支える場面が多い。録音の質感も、音像をくっきり並べるより、層を重ねて空間を作る方向に寄っている。
ロックの骨格はあるが、演奏の見せ場を前に出すより、フレーズ同士の間や余白が印象に残る。ポストロック寄りの構成感、アンビエント由来の広がり、そしてプログレッシブ・ロックらしい展開の組み立てが、ひとつの流れの中に置かれている。
作品の位置づけ
Nosoundは、初期からGiancarlo Erraが中心となって制作を進めてきたバンドであり、この作品にもその核が通っている。のちにライブ活動のためにメンバーが固まり、バンドとしての形を強めていく流れの中で、2009年のこのアルバムは、個人主導の感触とバンド・アンサンブルの両方が見える時期の記録として捉えられる。
同時代の文脈では、ポストロック、アンビエント、メロディ重視のプログレッシブ・ロックの接点にある作品として整理しやすい。音の置き方や空間の使い方には、前述のRadioheadやSigur Rós、Pink Floyd周辺を連想させる要素がある一方で、電子音や静的な和声の扱いにはBrian EnoやArvo Pärt的な感覚も重なって見える。
クレジットと周辺情報
- アーティスト: Nosound
- タイトル: A Sense Of Loss
- オリジナル・リリース年: 2009年
- 盤のリリース年: 2017年
- ジャンル: Rock
- スタイル: Prog Rock
メンバー表にはMarco Berni、Giancarlo Erra、Gigi Zito、Gabriele Savini、Paolo Martellacci、Paolo Vigliaroloの名前が並ぶ。Nosoundの公式サイトや各種SNS、YouTube、SoundCloudでも活動の記録を追うことができる。
静かな展開の中で音を重ね、曲ごとの流れをじっくり組み立てる一枚である。
トラックリスト
- A1 Some Warmth Into This Chill
- A2 Fading Silently
- B1 Tender Claim
- B2 My Apology
- B3 Constant Contrast
- C1 Winter Will Come
- D1 The Slow Deceit
- D2 Fading Silently ( alt )