Octobre – Clandestins (1981)
Octobre『Clandestins』について
Octobreの『Clandestins』は、1981年にカナダで発表された作品。バンド名のOctobreはフランス語圏のロック文脈を感じさせるが、このアルバムもまさにその流れにある1枚で、Rockの中でもProg Rockとして整理される内容になっている。
メンバーはPhilippe Herpin、Pierre Hébert、Mario Légaré、Gérard Leduc、Pierre Flynn、Jean Dorais、François Lanctôt。編成からして人数が多く、楽器の重なりや展開の組み立てに力を入れたバンドだったことがうかがえる。AllMusicやCitizenFreakでも取り上げられていることから、カナダのプログレッシブ・ロック史の中で一定の位置を持つグループとして見られている。
作品の位置づけ
『Clandestins』は、バンドのオリジナル作品として1981年に出たアルバム。70年代のカナダ産プログレの流れを引き継ぎつつ、80年代初頭の空気の中に置かれた作品として捉えやすい。フランス語圏カナダのロックでは、英語圏の大規模なプログレ・シーンとは少し違う、言葉の響きや歌の運びを重視した作りが目立つことがあるが、Octobreもその文脈で語られることが多い。
バンドの中では、後年の評価よりもまずこの時期の音作りやアンサンブルが見どころになりやすい。大編成を活かしたロックの組み立て、歌と演奏の間合い、曲ごとの構成の切り替えなど、プログレらしい要素が前面に出るタイプのアルバムといえる。
レコードとしての特徴
この盤は、歌詞入りのインナー・スリーブ付きで流通した。アルバムのタイトルはスパイン表記で誤って「Clandestin」となっている。こうした表記違いは初期プレスの個体差として記録されることがあるが、作品そのものは『Clandestins』として扱われている。
オリジナルの1981年盤として見た場合、当時の空気をそのまま持ったカナダ盤ロックの一例として楽しめる仕様。ジャケットやクレジットまわりも含めて、時代のレコードらしいまとまりがある。
サウンドの印象
実際の試聴では、曲ごとの展開を追う作りが印象に残る。プログレッシブ・ロックらしく、単純にリフを繰り返して進むというより、パートの切り替えや曲中の起伏で聴かせるタイプの構成。ボーカルを軸にしながらも、演奏陣の動きが前に出る場面があり、アンサンブルの密度がこの作品の核になっている。
派手さだけを狙うのではなく、フランス語の歌ものとしての流れを保ちながら、ロックの推進力を維持しているところが特徴的。80年代初頭の作品らしく、70年代的な大仰さをそのまま引きずるのではなく、整理された形でまとめている印象もある。
同時代の文脈
カナダのプログレッシブ・ロックというと、英語圏ではRushやFM、フランス語圏ではManeigeやPollenなど、地域ごとに異なる広がりがある。Octobreはその中でも、ケベックのロック史に近い位置で見られるバンドのひとつ。大きな国際的ヒットを前提にした作品というより、地域のロック文化の中で積み上げられたアルバムとして把握しやすい。
『Clandestins』は、そうした流れの中で1981年に残された、カナダ産プログレの一断面。バンドの編成、歌詞付きインナー・スリーブ、スパイン表記の誤記といった細部も含めて、当時のレコードとしての存在感がある一枚。
トラックリスト
- A1 – Pour Te Retrouver (4:28)
- A2 – Clandestins (4:10)
- A3 – L’imposteur (4:24)
- A4 – Je Veux Rouler (3:19)
- A5 – Chanson-Parenthèse (3:03)
- B1 – Prière D’asphalte (5:01)
- B2 – L’imaginoir (5:45)
- B3 – La Dernière Chance (5:20)
- B4 – Le Bout De La Ligne (2:32)