Machiavel – New Lines (1980)
Machiavel『New Lines』について
『New Lines』は、ベルギーのプログレッシブ・ロック・バンド、Machiavelが1980年に発表した作品。バンドは1970年代前半に結成され、初期はジェネシス系のクラシカルなロックとブリティッシュ・プログレの要素を土台にしながら、その後はより自分たちの輪郭をはっきりさせていったグループとして知られている。
この時期のMachiavelは、プログレ寄りの構成感を残しつつ、曲の運びをより整理した方向へ進んでいた段階。1980年という年を考えると、70年代的な長尺の組曲感よりも、ポップ・ロック寄りの分かりやすさを備えたプログレ、という位置づけで捉えやすい作品だと思う。
バンドの流れの中での位置
Machiavelは、1976年のデビュー作でクラシック・ロックとブリティッシュ・プログレの要素を示し、その後の『Jester』『Mechanical Moonbeams』で独自色を強めていったとされる。そこから1980年の『New Lines』へつながる流れを見ると、バンドが単に「プログレの延長」をやっていたのではなく、歌ものとしてのまとまりや楽曲単位の強さを意識していった段階にある。
この少し後の時期には、シングル「Fly」が大きなヒットになったことでも知られている。『New Lines』は、その直前にあたる時期の作品として、後のより広い層への接近を予感させる立ち位置にあると言えそうだ。
サウンドの印象
この作品のスタイルは、クレジット上ではPop RockとProg Rock。実際、Machiavelの持ち味であるプログレ的な展開やバンド演奏の密度を保ちながら、曲の入口は比較的すっと入ってくるタイプの作りになっている。派手に技巧を並べるというより、曲の中でリズムやメロディをどう運ぶかに重心がある印象。
当時のヨーロッパ圏のロックの文脈で見ると、英国プログレの影響を引きずりつつも、70年代末から80年代初頭にかけての新しい空気に合わせて、よりコンパクトな楽曲へ寄っていく動きがある。Machiavelもその流れの中にあり、同時代のプログレ・バンドの中では、過度に重厚へ振り切らず、歌とバンドの一体感を前に出すタイプとして聴ける。
代表曲や注目点
『New Lines』単体での大きなヒット曲については、今回の情報からは特定しづらい。ただ、Machiavel全体の代表曲としては「Fly」がよく挙がる。1980年のヒットで、当時のThe Policeを思わせる感触を取り入れた曲として知られている。『New Lines』は、その少し前の作品なので、バンドがこの路線へ向かう前後の空気を感じるうえで重要な一枚になっている。
ラインナップ
クレジットにはRoland De Greef、Mario Guccio、Thierry Plas、Christophe Pons、Albert Letecheur、Marc Ysaye、Hervé Borbé、Jean Jacques Roskam、Jean Paul Devaux、Kevin Coolsの名が並ぶ。Machiavelは時期ごとにメンバー変遷があるバンドだが、Mario Guccioの存在は特に大きく、後年のバンド・イメージを形づくる核のひとつとして語られている。
まとめ
『New Lines』は、Machiavelがプログレ・バンドとしての出自を保ちながら、より歌ものへ接近していく過程にある1980年作。ベルギー産のアートロック/プログレ・バンドという来歴を踏まえると、70年代の大仰な様式美だけではない、80年代へつながる整理されたバンド・サウンドの入口として見えてくる作品だ。
同じMachiavelの中でも、初期のプログレ色と、後年の広い層に届く路線のあいだをつなぐ位置づけの一枚。バンドの変化を追ううえで、ひとつの節目として捉えやすいレコードだと思う。
トラックリスト
- A1 – Vocando = Fly (3:31)
- A2 – Sobre El Mundo = Lying World (2:53)
- A3 – Relajar = Relax (3:08)
- A4 – Champaña En Amsterdam = Champagne In Amsterdam (4:05)
- A5 – Recuerdos = Memories (3:56)
- B1 – Apagalo = Turn Off (3:45)
- B2 – Una Vida = A Life (3:35)
- B3 – Playboy (3:35)
- B4 – Muy Claro = So Clear (3:25)
- B5 – Desvaneciendose = Fade Away (4:38)