Pugh Rogefeldt – Bolla Och Rulla (1974)
Pugh Rogefeldt『Bolla Och Rulla』について
『Bolla Och Rulla』は、スウェーデンのシンガー/ギタリスト/ソングライター、Pugh Rogefeldtが1974年に発表したアルバムである。録音は1973年11月から1974年2月にかけて、ストックホルムのMetronome Studioで行われている。リリース元はMetronome Records AB。タイトルと同年の作品として出た、70年代前半のPugh Rogefeldtを知るうえでの一枚である。
Pugh Rogefeldtは1947年、ヴェステロース生まれ。1969年のデビュー作『Ja, Dä ä Dä』で注目を集め、その後1970年代には複数のアルバムを発表している。スウェーデン語で歌うロックを早い時期から押し出した存在として語られることが多く、英語圏のロックとは少し違う、地元の言葉とロックの感触が近いところにあるアーティストである。
作品の位置づけ
『Bolla Och Rulla』は、デビュー後に勢いを保っていた1970年代前半の流れの中にある作品で、当時のPugh Rogefeldtの活動をそのまま映している。70年代の彼は、デビュー盤以降も継続して作品を発表し、スウェーデンのロック・シーンで存在感を保っていた。
この時期の北欧ロックには、英米のロックを参照しながらも、母語での表現を前面に出す動きがあった。Pugh Rogefeldtはその流れの中で、歌詞の響きとロックの骨格を結びつけていった人物として見られることが多い。『Bolla Och Rulla』も、その文脈に置くと読みやすいアルバムである。
サウンドと内容
ジャンル表記はロック、スタイルはクラシック・ロック。演奏面では、当時のロック・アルバムらしいバンド感と、歌を中心に進む構成が軸になっている。録音時期が1973年末から1974年初頭にまたがることもあり、70年代前半のスタジオ・ロックの空気をそのまま閉じ込めたような制作背景である。
実際に聴くと、まず感じるのはPugh Rogefeldtの歌の前に出方である。メロディを強く押し出しつつ、言葉の置き方に独特の間がある。派手な技巧で引っ張るというより、曲の流れの中で声とギターを噛み合わせていくタイプの作りで、デビュー以来の彼らしさが残っている印象である。
アルバムの背景
クレジット上では、印刷されたインナー・スリーブを含む仕様となっている。収録曲はすべてMultitone AB出版。1974年のMetronome Records ABによるリリースで、当時のスウェーデン国内盤としてまとまった形の一枚である。
Pugh Rogefeldtはこの後も1970年代を通じて活動を続け、1978年にはMelodifestivalenに「Nattmara」で参加し3位となる。のちにはGrymlingsでの成功や、2008年の再共演作『Vinn Hjärta Vinn』、2012年のテレビ出演など、キャリアの節目がいくつも続く。その流れの中で見ると、『Bolla Och Rulla』は1970年代前半の充実期を示す作品のひとつとして位置づけられる。
同時代とのつながり
同じ時代のスウェーデン・ロックを考えると、母語で歌うロックの定着という点が重要である。Pugh Rogefeldtは、その先頭近くにいた人物のひとりで、後のスウェーデン語ロックやポップの土台になった流れとつながっている。英米のクラシック・ロックをそのままなぞるのではなく、言葉のリズムや歌い回しを前面に出すあたりに、この時代の北欧ロックらしさがある。
『Bolla Och Rulla』は、そうした背景の中で、Pugh Rogefeldtが1974年時点でどの位置にいたかを示す作品である。デビュー作ほど広く知られたタイトルではないかもしれないが、70年代スウェーデン・ロックの流れを追ううえでは外しにくい一枚である。
トラックリスト
- A1 – Hog Farm
- A2 – Silver-Lona
- A3 – Bolla Och Rulla
- A4 – Pansar Och Blod
- B1 – Dinga Linga Lena
- B2 – Grävmaskinen
- B3 – Mona
- B4 – Kajans Sång