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Wishbone Ash – New England (1976)

Wishbone Ash『New England』について

『New England』は、英国のロックバンド、Wishbone Ashが1976年に発表した7作目のスタジオ・アルバムだ。ツイン・リード・ギターを前面に押し出したバンドとして知られる彼らの中でも、70年代中盤の活動を代表する1枚として位置づけられる作品になっている。

バンドの背景

Wishbone Ashは1969年、デヴォンで結成されたバンドだ。オリジナル編成は、Andy PowellとTed Turnerの2本のリード・ギター、Martin Turnerのベースとヴォーカル、Steve Uptonのドラムという構成。2本のギターが掛け合うように旋律を重ねるスタイルで注目を集め、ハード・ロックやプログレッシブ・ロックの文脈でも語られてきた。

『New England』の時点では、そうしたバンドの持ち味がかなり整理されたかたちで表れている。前作までの流れを引き継ぎつつ、曲の構成や演奏のまとまりを重視したアルバムという印象だ。

収録音源と制作メモ

基本トラックは、Mart’s Placeの地下室で、ギター、ベース、ドラムのパートを含めてライヴに近い形で演奏・録音されたというクレジットがある。その後、Criteria / Metro Audio Mobile と Criteria Studio A(Miami, Fla.)でリミックスが行われた。

レコードはゲートフォールド仕様で、特別な印刷インナー・スリーヴ付き。US盤は、ジャケット正面の「New England」の文字が緑色で入っている点、表紙イラストに人物が1人追加されている点、裏面のトラック・リストの見え方が異なる点が確認できる。ラベルには「RI」の表記があり、PRC-Richmondプレスであることが示されている。

音の印象

実際に聴くと、まずギターの組み立てがはっきりしている。2本のリード・ギターが同じメロディをなぞるだけでなく、片方が上、片方が下を支えるように動く場面が多く、バンドの看板がそのまま録音に出ている。リズム隊は前に出すぎず、曲の輪郭を保つ役回りだ。

曲調は、ワイルドに押し切るタイプというより、テンポやフレーズを整えて進める場面が目立つ。ロックとしての骨格は保ちながら、演奏の線が見えやすい作りで、同時代の英国ロックの中でも、演奏の整理されたプログレ寄りのバンド群と並べて捉えやすい内容だ。

作品の位置づけ

Wishbone Ashにとって『New England』は、70年代中盤の成熟した時期を示すアルバムの1つだ。デビュー期に確立したツイン・リードの手法を、より曲単位で聴かせる方向へ持っていった作品として見られることが多い。バンドの個性が演奏の中身にそのまま表れている。

同時代の英国ロックでは、Thin Lizzyのようにツイン・ギターを武器にしたバンドや、より構築的な展開を持つプログレッシブ・ロック勢と比較されることがある。Wishbone Ashはその中間にいるような立ち位置で、ハードなリフとメロディの両方を扱う点が特徴になっている。

まとめ

『New England』は、Wishbone Ashの看板であるツイン・リード・ギターを軸に、70年代半ばの英国ロックらしい演奏感をまとめた1976年作だ。US盤ではジャケット表記や図柄に違いがあり、盤としての見どころもある。バンドの音作りと当時の空気が、そのまま残った作品と言える。

トラックリスト

  • A1 – Mother Of Pearl (4:28)
  • A2 – (In All Of My Dreams) You Rescue Me (6:14)
  • A3 – Runaway (3:17)
  • A4 – Lorelei (5:27)
  • B1 – Outward Bound (4:49)
  • B2 – Prelude (1:15)
  • B3 – When You Know Love (5:49)
  • B4 – Lonely Island (4:28)
  • B5 – Candle-Light (1:49)

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2026.09.04
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