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Steve Hackett – Please Don’t Touch! (1978)

Steve Hackett「Please Don’t Touch!」について

Steve Hackettの「Please Don’t Touch!」は、1978年に発表されたソロ作品で、Genesis脱退後の活動を本格的に印象づけた一枚だ。英国のプログレッシブ・ロック・シーンで存在感を確立していたギタリストが、バンドの枠を離れて自分の音楽を前面に出した作品として位置づけられる。

HackettはGenesisで8枚のアルバムに参加し、独特のギター・ワークで知られるようになった人物だが、この作品ではそうした文脈を引き継ぎつつ、より個人名義ならではの構成感が前に出る。Art Rockの範囲に置かれるのも自然で、演奏中心の組み立てと、曲ごとに表情を変える楽曲性が同居している。

作品の位置づけ

1977年にGenesisを離れたあと、Hackettはソロ活動へ軸足を移していく。その最初期にあたるこのアルバムは、バンド・メンバーとしての役割から解放されたあとに、どこまで自分のギタリスト像を広げられるかを示す内容として聴かれることが多い。プログレッシブ・ロックの流れを引き継ぎながらも、ソロ作らしいまとまりがある一枚だ。

同時代の英国プログレ周辺では、Genesis、Yes、King Crimsonといった大きな流れがあったが、Hackettの作品はその中でもギターの質感が中心に置かれている点が目立つ。技巧だけで押し切るというより、フレーズの置き方や音色の変化で曲を作っていくタイプの作品として受け取られやすい。

サウンドと聴きどころ

このアルバムでは、Hackettのギターが作品の核にある。リード・ギターの旋律だけでなく、音の重ね方や空間の使い方にも耳が向く内容だ。プログレッシブ・ロックらしい構成の変化がありつつ、曲ごとの輪郭は比較的はっきりしている。

タイトル曲「Please Don’t Touch!」は、アルバムを代表する楽曲として知られる。ここではゲスト参加の人選も含めて、ソロ作らしい華やかさが出ている。曲の流れの中でギターが前へ出る場面が分かりやすく、Hackettの個性をつかみやすい一曲だ。

また、歌ものとインストゥルメンタルのバランスも、この時期のHackettらしさとして見て取れる。ギター主導のアルバムでありながら、単なるギター・アルバムに寄らず、曲としての流れを保っている点がポイントになる。

日本盤について

この日本盤は1978年リリースで、帯、印刷された内袋、インサート付き。Made in Japan表記で、ランアウトはスタンプ仕様となっている。オリジナル盤と同年のリリースなので、内容面では初出時の空気をそのまま持った時期の盤として捉えやすい。

日本盤ならではの付属物が揃っているため、当時の国内流通盤としてのまとまりもある。ジャケットやインサートを含めて、1978年当時の作品として見たときの資料性も感じられる仕様だ。

総評

「Please Don’t Touch!」は、Steve HackettがGenesis脱退後に示したソロ・アーティストとしての出発点の一つであり、ギタリストとしての個性が前に出た1978年作品だ。プログレッシブ・ロックの文脈にありながら、曲の作り方や音色の選び方にHackettらしさがはっきり見える。タイトル曲を中心に、ソロならではの視点が感じられるアルバムとして記憶される一枚である。

トラックリスト

  • A1 – Narnia
  • A2 – Carry On Up The Vicarage
  • A3 – Racing In A
  • A4 – Kim
  • A5 – How Can I?
  • B1 – Hoping Love Will Last
  • B2 – Land Of A Thousand Autumns
  • B3 – Please Don’t Touch
  • B4 – The Voice Of Necam
  • B5 – Icarus Ascending

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2026.09.12
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