The Moody Blues – The Present (1983)
The Moody Blues『The Present』について
The Moody Bluesは、1964年にバーミンガムで結成されたイギリスのロック・グループだ。1960年代後半には、オーケストラ感のあるアレンジとメロトロンを前面に出した作品で知られるようになり、プログレッシブ・ロックの文脈でも語られてきた。1983年作の『The Present』は、通算11作目のスタジオ・アルバムにあたる。
日本盤は1983年リリース。録音はStrawberry Fields Southで行われている。ジャケットや盤面ではタイトルが「The Presents」と表記されている点も、この盤を確認するうえでの特徴になっている。
作品の位置づけ
『The Present』は、1970年代のバンドの流れを受けつつ、1980年代の制作環境に入った時期の一枚だ。The Moody Bluesは、Justin Hayward、John Lodge、Graeme Edge、Ray Thomasらを中心に長く活動を続けてきたグループで、このアルバム時点ではPatrick Morazも参加している。バンドの中期以降のサウンドを知るうえで、ひとつの節目に置かれる作品といえる。
1960年代の代表作群がメロトロンや幻想的な構成で語られることが多いのに対し、この時期の作品は、より整理されたロック・バンドの演奏と楽曲構成が目立つ。The Moody Bluesらしいメロディ重視の作りは残しながら、時代に沿った鳴り方へ寄っていく流れが見える。
収録曲とシングル
この作品からは複数のシングルが切られている。代表的な曲としては、アルバム中で存在感を持つ楽曲群がシングルとして扱われており、当時のバンドの活動を示す要素になっている。
- シングルカットあり
- アルバム収録曲から複数曲が展開
なお、The Moody Bluesは一般に「Nights in White Satin」や「Question」などの楽曲で広く知られているが、『The Present』はそうした初期の定番曲を収めた作品ではなく、1980年代のバンドの現行作として聴かれるアルバムだ。
バンドの流れの中で
The Moody Bluesは、1964年から活動を開始し、ロックの歴史の中でも長いキャリアを持つ。2018年にはRock and Roll Hall of Fame入りも果たしている。Ray Thomasの木管系の響き、Justin Haywardのギターと歌、John Lodgeのベースと歌、Graeme Edgeのドラムと語り、Mike Pinderのキーボードといった各人の役割が、このバンドの個性を形作ってきた。
『The Present』の時点では、そうした積み重ねの上に、80年代のロック・アルバムとしての輪郭が加わっている。60年代末のサイケデリック/シンフォニックな流れを引くバンドとして見ても、同時代の英国ロックの中では、YesやGenesisのようなプログレ勢とはまた違う、歌を軸にした組み立てが特徴的な存在だ。
ひとこと
『The Present』は、The Moody Bluesの長い活動の途中に置かれた1983年のスタジオ作品で、1980年代に入ったバンドの現在地を示すアルバムだ。タイトル表記の違いも含めて、盤としての確認ポイントがある一枚になっている。
トラックリスト
- A1 – Blue World (5:16)
- A2 – Meet Me Halfway (4:09)
- A3 – Sitting At The Wheel (5:35)
- A4 – Going Nowhere (5:27)
- B1 – Hole In The World (1:55)
- B2 – Under My Feet (4:48)
- B3 – It’s Cold Outside Of Your Heart (4:23)
- B4 – Running Water (3:20)
- B5 – I Am (1:41)
- B6 – Sorry (4:56)