The Moody Blues – To Our Children’s Children’s Children (1969)
The Moody Blues『To Our Children’s Children’s Children』について
The Moody Bluesは、1964年にイングランドのバーミンガムで結成されたロック・グループ。
本作『To Our Children’s Children’s Children』は、1969年にリリースされた5作目のスタジオ・アルバムで、同年のUK盤として登場した作品だ。
バンドはこの時期、ハードなR&B色から離れ、オーケストラ的な広がりと内省的な歌詞を持つサウンドを深めていく流れにあり、本作もその延長線上にある1枚として位置づけられる。
作品の位置づけ
1960年代後半のThe Moody Bluesは、プログレッシブ・ロックの形成期に近い場所で語られることが多い。
本作はその中でも、アコースティックな響き、フルート、メロトロン、コーラスを軸にした構成が目立つアルバムで、後年のバンド像につながる要素がかなりはっきりしている。
前作『In Search of the Lost Chord』(1968年)に続き、コンセプト性とアルバム全体の流れを意識した作りが見える時期でもある。
音楽性と聴きどころ
ジャンル表記では Rock、スタイルでは Psychedelic Rock に入る作品だが、いわゆる派手なサイケ・ロックというより、宇宙旅行や未来、誕生と継承といった主題を、落ち着いたテンポの中で組み立てていく印象が強い。
Ray Thomasのフルート、Mike Pinderのキーボード、Justin Haywardのギターと歌、John Lodgeのベースと歌が、それぞれ役割を分担しながら曲を運んでいく流れ。
曲ごとのつながりが意識されていて、アルバム全体を通して聴くと、1曲ごとの輪郭よりも、並び方そのものに意味があるタイプの作品に見える。
The Moody Bluesらしいメロトロンの使い方も重要で、音の厚みを作りながら、演奏の隙間に独特の空気を残している。
代表曲について
本作の中では「Gypsy」や「Watching and Waiting」などがよく触れられる曲。
特に「Watching and Waiting」は、アルバムの終盤を静かに締める曲として印象に残りやすい。
シングル向けの分かりやすさよりも、アルバム全体の流れの中で機能する楽曲が多い構成で、ヒット曲中心の作品というより、アルバム単位で聴かれることの多いタイトルだ。
同時代との関係
1969年という年は、英国ロックがブルース・ロック、サイケデリック・ロック、前衛的なアルバム制作へと広がっていた時期。
The Moody Bluesは、同時代のPink FloydやProcol Harum、The Beatles後期作品などと並べて語られることがある。
ただし本作は、極端な実験性よりも、整った構成とメロディの流れを保ちながら、未来志向のテーマを扱っている点が特徴的だ。
オリジナルUK盤の仕様
今回のUK盤は1969年リリース。
リリースノートによると、ゲートフォールド・スリーブ仕様で、イングランド製。さらに、5人の顔写真を載せた印刷された歌詞シートが付属していた。
こうした仕様は、当時のアルバム作品としてのまとまりを強める要素でもある。
ジャケットを開いて歌詞シートを見ながら聴くことで、楽曲のつながりがより意識される作りだったといえる。
まとめ
『To Our Children’s Children’s Children』は、The Moody Bluesが1960年代後半に築いた、内省的で構成重視のアルバム作りをよく示す作品。
サイケデリック・ロックの文脈に置かれながらも、派手な展開より、音の重なりと曲順の流れで聴かせる1枚だ。
バンドの代表的な時期を知るうえでも、重要な位置にあるアルバムとして見てよさそうだ。
トラックリスト
- A1 – Higher And Higher
- A2 – Eyes Of A Child 1
- A3 – Floating
- A4 – Eyes Of A Child 2
- A5 – I Never Thought I’d Live To Be A Hundred
- A6 – Beyond
- A7 – Out And In
- B1 – Gypsy
- B2 – Eternity Road
- B3 – Candle Of Life
- B4 – Sun Is Still Shining
- B5 – I Never Thought I’d Live To Be A Million
- B6 – Watching And Waiting