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Rip Rig & Panic – Attitude (1983)

ザ・ポップ・グループ(The Pop Group)が放った政治的かつ音楽的な破滅のエネルギーが四散したのち、ブリストル〜ロンドンの地下シーンから最も鮮烈な祝祭の炎を立ち上げたのがリップ・リグ&パニック(Rip Rig & Panic)だ。ギャレス・セイガー(Gareth Sager)とブルース・スミス(Bruce Smith)を中心に結成され、当時まだ十代だったネナ・チェリー(Neneh Cherry)をフロントに擁した彼らが、1983年に名門Virginから放った3作目にしてラスト・アルバム『Attitude』は、アヴァン・ファンクとフリージャズ、そして弾けるポップ・センスが奇跡的な均衡で結実した大傑作である。

混沌から洗練へ:アダム・キドロンを迎えた構築美のグルーヴ

初期の『God』(1981)や『I Am Cold』(1982)が持っていた衝動的なノイズと即興的痙攣から一転、本作ではスクリッティ・ポリッティらを手掛けたアダム・キドロン(Adam Kidron)とセイガー自身が共同プロデュースを担当。彼らの代名詞である尖ったアフロ・ビートや変拍子、フリーキーなサックスの咆哮を巧みに引き締め、極めてダンサブルでソリッドなポストパンク・ファンクへと昇華させた。

マーク・スプリンガーが叩きつけるセロニアス・モンク直系の鋭利な不協和音ピアノと、夭折の天才ショーン・オリヴァーが唸らせる強靭なスラップ・ベース。そこにブルース・スミスのポリリズミックなドラミングが絡み合い、鋭利でありながら身体を直撃する躍動感を生み出している。

ネナ・チェリーの天性のカリスマと、ブリストル・サウンドへの架け橋

何よりも本作を輝かせているのは、のちにソロとして世界的成功を収めるネナ・チェリーの生命力あふれるヴォーカルだ。ドン・チェリーの義理の娘としてジャズの血を受け継ぎながら、ヒップホップ前夜のストリート感覚を宿した彼女の歌声は、「Keep The Sharks From Your Heart」や「Do The Tightrope」において前衛的なアンサンブルを鮮やかなポップ・アートへと塗り替えていく。

「Sunken Love」に見られるエキゾチックでダビーな音響処理や、中東音楽の旋律を取り入れた「Viva X Dreams」の混沌とした祝祭感には、のちにブリストルから勃興するトリップホップ(マッシヴ・アタックやポーティスヘッド)へと直結する多国籍ミクスチャーの遺伝子が確かに刻み込まれている。

80年代英国ポストパンクが到達した最も豊穣なミクスチャー・ミュージック

パンクのDIY精神、フリージャズの解体衝動、ラテン〜アフロのリズム、そしてソウル/ファンクの肉体性――それらすべてを「アティテュード(姿勢)」というタイトルのもとに呑み込み、ポップ・ミュージックの臨界点へと叩きつけた本作。リップ・リグ&パニックの短い活動期間における到達点であり、80年代初頭のポストパンク黄金期が遺した最も豊潤で冒険心に満ちたレコードである。

トラックリスト

  • A1 - Keep The Sharks From Your Heart
  • A2 - Sunken Love
  • A3 - Rip Open, But Oh So Long Thy Wounds Take To Heal
  • A4 - Do The Tightrope
  • A5 - Intimacy, Just Gently Shimmer
  • A6 - How That Spark Sets Me Aglow
  • B1 - Alchemy In This Cemetry
  • B2 - Beat The Beast
  • B3 - The Birth Pangs Of Spring
  • B4 - Eros; What Brings Colour Up The Stem?
  • B5 - Push Your Tiny Body As High As Your Desire Can Take You
  • B6 - Viva X Dreams
2026.05.02
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