Newban – Newban (1977)
Newban『Newban』(1977年)について
Newbanの『Newban』は、1977年にUSでリリースされたデビュー作で、のちにAtlantic Starrへと改名する以前の姿を記録した1枚だ。White Plains, New Yorkのソウル・グループとして出発した彼らが、Guinness Recordsの名義で残した初期作品であり、グループの出自を知るうえで重要な位置づけにある。
グループの背景
Newbanは、Sharon Bryant、Jonathan Lewis、Porter Carroll、Joseph Phillipsを中心に、Clifford Archer、Albert Jones Jr.、Gregory Press、Mark Slifstein、Keith Johnsonらを含む編成で活動していた。のちにAtlantic Starrへと改名し、より広く知られる存在になっていくが、この時期はまだNewban名義での試行段階にある。
録音はカリフォルニア州ウエストウッドで行われたとされ、ニューヨークのグループが西海岸で制作した作品という点も興味深い。ローカルなソウル・グループというより、当時のファンク/ソウルの制作環境の中で形になったアルバムという印象が強い。
作品の内容と位置づけ
『Newban』は、ファンク、ソウル、ジャズ・ファンクの要素を含む作品として整理される。リズムを前に出した編成と、コーラスを活かしたグループ・サウンドが軸にあるタイプのアルバムで、後のAtlantic Starrにつながるボーカル・アンサンブルの感触がここですでに見える。
この時期の彼らは、まだ改名前の段階にあり、バンドとしての輪郭を固めている途中にある。デビュー作という位置づけからも、完成された代表作というより、グループの初期像をそのまま伝える記録として捉えやすい。
同時代の文脈
1977年という時期は、ソウルやファンクがディスコや洗練された都会的サウンドへ接近していく流れの中にある。Newbanもその文脈の中で語られるグループで、同時代のアンサンブル志向のソウル・バンド、たとえばCon Funk ShunやSwitchのような、演奏とコーラスの両方を前に出すタイプの流れと並べて見られることがありそうだ。
ただし、Newbanのこのアルバムは、後年の大きなヒットを持つ作品というより、グループ名の変遷を含めたキャリアの起点として聴かれることが多いタイプの盤だ。のちにAtlantic Starrとして認知される前史として、ここに残っている音がそのまま価値になっている。
リリース面の特徴
US盤のGuinness Records作品で、Dellwood Recordsが流通を担当していたとされる。オリジナル盤では、マトリクス番号が手書きではなく、レコードのランアウト部に機械刻印されている点が特徴として挙げられる。
まとめ
『Newban』は、Atlantic Starrへとつながる以前のNewban名義を記録した1977年作だ。White Plains, New York出身のソウル・グループが、ファンクやジャズ・ファンクの要素を取り込みながら出発した時期の姿をそのまま残している。グループ史の初期章として、また1970年代後半のUSソウル/ファンクの一断面として、位置づけやすい作品だ。
トラックリスト
- A1 – Father Time (4:17)
- A2 – Why Did You Desert Me? (3:07)
- A3 – Central Park (4:29)
- A4 – Fatback Sally (3:42)
- B1 – Magic Lady (4:56)
- B2 – Mellow Days, Easy Nights (4:05)
- B3 – Hungry Grin (2:28)
- B4 – Home With You (2:57)