Of Montreal – Jon Brion Remix EP (2009)

Of Montreal『Jon Brion Remix EP』について

『Jon Brion Remix EP』は、Athens, Georgia出身のOf Montrealによる2009年の作品。バンドの中心人物であるKevin Barnesを軸に、初期は60年代ポップやサイケデリックの感触を通し、後年はエレクトロニカ、ファンク、グラム、アフロビートまで取り込んでいく、このバンドの変化がよく知られている。その流れの中にある1枚がこのEPだ。

ジャンル表記はElectronic、Rock、Pop。スタイルとしてはArt Rock、Pop Rock、Experimentalに置かれている。タイトルからもわかる通り、Jon Brionによるリミックスを中心にした内容で、Of Montrealの楽曲を別の切り口から聴かせる作品として位置づけられる。

作品の位置づけ

2009年のOf Montrealは、もともとのインディー・ポップ/サイケ寄りの感覚に加えて、より広い編成感や加工の強いサウンドへと進んでいた時期。そうした時代の流れの中で出たこのEPは、バンドの原曲をそのまま並べるのではなく、Jon Brionの手つきで再構成された音像を味わうタイプのリリースになっている。

Polyvinyl Record Companyのカタログでは、この作品は「An Eluardian Instance EP」としても参照されている。作品名の扱いに揺れがある点は、レーベル資料を追ううえで目に入る情報だ。

Of Montrealというバンドの文脈

Of MontrealはKevin Barnesのプロジェクトとして語られることが多いバンドで、メンバーの入れ替わりが多いことでも知られる。提示されているメンバー一覧からも、その流動性が見えてくる。Derek Almstead、Julian Koster、Dottie Alexander、K Ishibashi、Jojo Glidewellら、多彩な演奏家が関わってきた。

音楽的には、初期のポップ・サイケ路線から、PrinceやDavid Bowieを思わせる要素を取り込んだ時期まで幅がある。2000年代後半のインディー・ロック界では、同じくアート性の高いポップを扱うアーティストとして、Animal CollectiveやThe Fiery Furnacesのような名前と並べて語られることもあった流れ。

聴きどころ

リミックスEPという形式上、ここでの聴きどころは楽曲そのものの展開よりも、元の曲がどのように切り分けられ、別の質感に置き換えられているかという点にある。Jon Brionは、映画音楽やプロデュースでも知られる人物で、細かな音の配置や和声の扱いに特徴がある。その手癖がOf Montrealの楽曲に入ることで、原曲の輪郭が少しずつずらされるタイプの作品になっている。

Of Montrealの代表曲という文脈でいえば、この時期は『Hissing Fauna, Are You the Destroyer?』の流れが大きく、そこから派生する作品群のひとつとして見ると整理しやすい。バンドのコアなファンにとっては、アルバム本編とは違う角度で曲を確認できる資料的な意味合いもあるだろう。

まとめ

『Jon Brion Remix EP』は、2009年のOf Montrealを、Jon Brionのリミックスという形で切り取った1枚。アート・ロック寄りの構成感と、ポップな手触りが同居するバンドの性格が、そのまま別の編集で見えてくる作品だ。作品名の扱いに別表記がある点も含めて、Of Montrealのカタログを追ううえで押さえておきたいEPといえる。

トラックリスト

  • A1 – First Time High (Reconstructionist Remix Of “An Eluardian Instance”) (4:03)
  • A2 – First Time High (Of Chicago Acoustic Version) (4:34)
  • B1 – Gallery Piece (JB Remix) (3:54)
  • B2 – Gallery Piece (Long Version) (8:16)
  • B2 – Gallery Piece (Instrumental) (3:54)
2026.07.01
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