Leon Spencer, Jr. – Bad Walking Woman (1972)
Leon Spencer, Jr.『Bad Walking Woman』について
『Bad Walking Woman』は、アメリカのソウル・ジャズ/オルガン奏者、Leon Spencer, Jr.が1972年に発表した作品。US盤として同年に登場しており、70年代前半のジャズ・ファンク路線をはっきり示す内容になっている。レーベル周辺の流通はFantasy Recordsが担っていた。
Leon Spencer, Jr.という奏者
Leon Spencer, Jr.は1945年11月1日、テキサス州ヒューストン生まれ。ハモンド・オルガンを軸に、ソウルの感触を持ったジャズで知られる人物で、60年代末から70年代にかけてのジャズ・ファンクの流れの中で存在感を示した。編成の中心にオルガンを置き、リズムのうねりを前面に出すタイプの演奏家として理解しやすい。
作品の輪郭
本作はジャズ/ジャズ・ファンクの文脈に置ける1枚で、グルーヴを軸にした組み立てが特徴。リリース情報には、A3、A4、B2、B3にストリング・セクションが入ることが記されている。オルガン・コンボの中に弦を差し込むことで、単なるセッション・アルバムとは少し違う、整えられた質感が加わっている。
また、A2はラベル上で「Down On Dowling St.」と表記されている。こうした表記違いは、盤を追うときの小さな見どころのひとつでもある。
曲と聴きどころ
この時期のLeon Spencer, Jr.らしいのは、オルガンが旋律も伴奏もまとめて引き受けるところ。ベースラインの動きとドラムの押し出しが前に出て、そこにホーンや弦が重なると、曲の輪郭がはっきり立つ。ジャズの即興性よりも、反復するリフや拍の粘りが耳に残るタイプの内容といえる。
作品内で広く知られた代表曲として特定のヒット曲が前面に語られるタイプではないが、Leon Spencer, Jr.のディスコグラフィーを追うときには、70年代初頭のオルガン・ジャズの流れを確認できる1枚として見えてくる。
同時代とのつながり
『Bad Walking Woman』は、同時代のジャズ・ファンクの空気と強く結びついた作品。オルガン・ジャズの延長線上にありながら、よりリズム・セクションの推進力を重視する点で、当時のソウル・ジャズ系の作品群とも近い感触がある。オルガンを中心にした70年代ジャズの流れをたどるとき、Jimmy Smith以降の系譜や、同時期のファンキーなインスト作品と並べて見られることが多い領域だ。
まとめ
『Bad Walking Woman』は、Leon Spencer, Jr.のオルガン・プレイを軸に、ジャズ・ファンクの手触りをまとった1972年の作品。ストリング・セクションを含む曲もあり、オルガン・コンボの基本形に少し色を足した構成が印象に残る。70年代初頭のソウル・ジャズの空気を、作品単位でたどるうえで押さえておきたいタイトルのひとつ。
トラックリスト
- A1 – Hip Shaker (3:50)
- A2 – Down On Dowling Street (4:55)
- A3 – In Search Of Love (4:00)
- A4 – If You Were Me And I Were You (5:57)
- B1 – Bad Walking Woman (5:01)
- B2 – When My Love Has Gone (6:10)
- B3 – When Dreams Start To Fade (7:42)