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Soft Machine – Softs (1976)

Soft Machine『Softs』について

『Softs』は、英国カンタベリー・シーンを代表するSoft Machineが1976年に発表したアルバムである。ジャズとロックの接点を軸にしながら、バンドの編成が大きく変わっていった時期の作品でもあり、Soft Machineの後期を語るうえで外せない1枚として知られている。

本作の録音は1976年春、Abbey Road Recording Studiosで行われている。リリース時点では、創設期からのメンバーであるMike Ratledgeが抜け、Roy Babbington、John Marshall、Allan Holdsworth、John Etheridgeらを経た流れの中で、より演奏色の強いグループとしての姿が前面に出ている。

Soft Machineというバンドの流れの中で

Soft Machineは1966年にカンタベリーで結成された英ロック/ジャズ・バンドで、バンド名はウィリアム・S・バロウズの小説『The Soft Machine』に由来する。Robert Wyatt、Kevin Ayers、Daevid Allenらを含む初期編成から始まり、70年代に入るとメンバー交代を重ねながら、インストゥルメンタル寄りのジャズ・ロックへと重心を移していった。

『Softs』は、その変化がかなり進んだ段階の作品である。初期のサイケデリックな匂いよりも、アンサンブルの精度や即興性、リズムの組み立てが前に出る時期のSoft Machineらしさがある。

音の印象

実際に聴くと、まず耳に入るのは各楽器の役割分担のはっきりした演奏である。ギター、サックス、キーボード、ベース、ドラムがそれぞれ前に出すぎず、曲ごとに細かく表情を変えていく。ロックのバンド編成を保ちながら、演奏の進み方はかなりジャズ寄りで、拍の置き方やフレーズの受け渡しにSoft Machineならではの緊張感がある。

Allan HoldsworthとJohn Etheridgeのギターが関わる時期の流れを踏まえると、コード感よりも線の動きや音の重なりが印象に残る構成で、Mike Ratledge時代のキーボード主体の色彩とはまた違う聴こえ方になる。John Marshallのドラムも、この時期のバンドを支える要として機能している。

収録曲と代表的な位置づけ

『Softs』には、後のライブでも触れられるようなバンドの中核となる楽曲が含まれている。Soft Machineはシングルヒットで知られるバンドではなく、アルバム単位で語られることが多いが、本作もその流れにある。曲ごとの展開を追う楽しさがあり、メロディを前面に押し出すというより、演奏の進行そのものに耳が向く内容である。

この時期のSoft Machineは、同時代のフュージョンやジャズ・ロックの文脈でも見られる存在だが、単に技巧を並べるのではなく、カンタベリー系らしい柔らかい旋律感と、構成の変化を併せ持っている点が特徴的である。比較対象としては、同じ英国のジャズ・ロック/プログレ周辺のバンドや、より即興色の強いフュージョン系のアンサンブルが挙げられることが多い。

1990年盤について

この盤は1990年リリースのものだが、作品自体は1976年のアルバムである。したがって、聴かれるのは70年代中盤のSoft Machineの音像であり、90年時点の新作ではない。再発盤として見ると、オリジナルの制作時代をそのまま伝える役割が強い。

Soft Machineのカタログの中では、初期の実験性と後期のジャズ・ロック志向のあいだで、バンドの輪郭がかなり明確になった時期の記録として置ける作品である。

トラックリスト

  • A1 – Aubade
  • A2 – The Tale Of Taliesin
  • A3 – Ban-Ban Caliban
  • A4 – Song Of Aeolus
  • B1 – Out Of Season
  • B2 – Second Bundle
  • B3 – Kayoo
  • B4 – The Camden Tandem
  • B5 – Nexus
  • B6 – One Over The Eight
  • B7 – Etika

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2026.07.22
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