Al Stewart – Time Passages (1978)
Al Stewart『Time Passages』について
Al Stewartは、スコットランド出身のシンガーソングライターで、1970年代の英国系ソングライターの流れの中でも、物語性のある歌詞と落ち着いたメロディで知られる人物だ。代表曲としては「Year of the Cat」が広く知られているが、その翌年に出た本作『Time Passages』も、彼の1978年時点の到達点としてよく語られる作品である。
『Time Passages』は1978年の作品で、同年に日本盤もリリースされている。ジャケットや曲順の印象も含めて、70年代後半のシンガーソングライター作品らしいまとまりがあり、AOR寄りの手触りと、フォーク由来の語り口が同居している一枚である。
作品の位置づけ
Al Stewartのキャリアでは、「Year of the Cat」で広く注目を集めたあとに発表されたアルバムとして重要な位置にある。前作の流れを引き継ぎつつ、より洗練された演奏とアレンジで、1970年代後半のラジオ向きロックの文脈にしっかり収まっている。
同時代の感触でいえば、James TaylorやJackson Browneのようなシンガーソングライター系の聴きやすさと、より英国的な語りのニュアンスが近い。曲の組み立てには、ソフトロックやポップロックの整理された響きがありつつ、ところどころにフォークロックらしい書きぶりが残る。
代表曲と聴きどころ
タイトル曲「Time Passages」は、このアルバムを語るうえで外せない曲だ。のちにシングルとしても知られるようになった楽曲で、Al Stewartらしい、時間や記憶をめぐる視点が前面に出ている。歌詞を追いながら聴くタイプの曲で、メロディだけで押し切るというより、言葉の運びとサウンドの流れが一体になっている。
全体としては、派手に引っ張るタイプの作品ではなく、ギター、鍵盤、リズム隊がきちんと整った中で、歌が自然に進んでいく構成だ。演奏の輪郭がはっきりしていて、70年代後半の録音らしい整った音像が印象に残る。
日本盤ならではの仕様
この日本盤は、幅広の帯と4ページのインサート付きで、和訳歌詞とライナーノーツ、さらに英語詞も収録されている。歌詞を追いながら聴きたい作品なので、こうした付属物は内容理解に直結する仕様だ。
輸入盤で聴く場合と比べると、当時の日本盤は情報量が多く、アーティスト紹介や曲の背景をたどりやすい点がある。本作も、Al Stewartの言葉中心の作風と相性のいい作りになっている。
まとめ
『Time Passages』は、1978年のAl Stewartをそのまま切り取ったようなアルバムだ。フォークロックの語り口、ソフトロック寄りの整った演奏、そして「Time Passages」のような代表曲が同居している。70年代後半の英国系シンガーソングライター作品として、彼のディスコグラフィーの中でも分かりやすい存在である。
トラックリスト
- A1 – Time Passages (6:39)
- A2 – Valentina Way (4:02)
- A3 – Life In Dark Water (5:46)
- A4 – A Man For All Seasons (5:45)
- B1 – Almost Lucy (3:41)
- B2 – Palace Of Versailles (5:20)
- B3 – Timeless Skies (3:31)
- B4 – Song On The Radio (6:20)
- B5 – End Of The Day (3:08)